東京都江戸川区と千葉県浦安市をつなぐ、新しい橋「堀江橋」の建設が計画されています。実現すれば一体どう便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。
■「橋空白地帯」に期待高まる新橋
東京都江戸川区と千葉県浦安市をつなぐ、新しい橋「堀江橋」の建設が計画されています。
実現すれば一体どう便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。
東京23区の東側には「荒川」があり、その外に江戸川区があり、さらに「江戸川」を越えれば千葉県、というイメージがあるかもしれません。
しかし海側では、江戸川から西へ「旧江戸川」が分岐していて、その南岸の陸地は江戸川区ではなく千葉県になっています。旧江戸川と江戸川と東京湾に囲まれたエリアは、東京ディズニーリゾートがある浦安市と、市川市の一部に属しています。
この「旧江戸川」がくせもので、東京都・千葉県の都県境であることから、橋がほとんどありません。
いまある橋は、日本橋から東進してくる新大橋通りの「今井橋」、そして深川から東進する葛西橋通りの「浦安橋」、あとは湾岸線の「舞浜大橋」だけです。
当然ながらボトルネックで渋滞も激しく、浦安市民にとっては湾岸線・国道357号くらいしかまともな都内アクセスがなく、監獄のような交通状況だという意見もあります。
そこへ、浦安橋から約1kmほど南側に「第3の江戸川区アクセス」として計画されているのが、堀江橋です。葛西エリアに直結する橋となります。
東京側も浦安側も、橋の周辺は都市計画幅が確保されていて、地図を見ると「ああここに橋を架けるんだな」と分かるほどです。
浦安側は「さくら通り」として、市役所裏からJR新浦安駅方面へつながる道路になっています。
いっぽう東京側は地下鉄東西線と同じルートで葛西・南砂町・木場を経由し、「永代通り」として東京駅まで直結します。
つまり堀江橋は、浦安市からまっすぐ東京駅まで1本の道路でつながるという、夢の架橋計画なのです。
気になる進捗ですが、特に目立った動きはありません。浦安市は毎年のように国や千葉県へ要望を続けていて、それで終わっています。
とはいえ全く何も進んでいないわけではなく、千葉県は2024年6月議会の質問に対し、「道路線形や交通容量の確保などの整備上の課題を抽出し、既存道路への接続方法などについて検討を進めているところ」としています。
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ところで、旧江戸川に架かる「第3の江戸川区アクセス」の橋は、もうひとつの計画が動いています。
それは行徳から北側に架かる「押切・湊橋(仮)」で、完成すれば柴又街道に直結して瑞江・小岩・金町方面へつながることとなります。
こちらは2023年1月に悲願の事業着手を果たし、着々と測量や調査設計が進められているところです。
そういう事情もあり、葛西へ架かる橋は、「行徳の橋がある程度進んでから」という順番待ち状態になっていきそうです。先述の議会答弁でも「押切・湊橋など周辺道路の整備状況等を踏まえ」という発言があるので、同時進行で2本の橋の計画がどんどん進んでいく可能性は決して高くなさそうです。
果たしてどうなるのか、今後の動向に注目です。