日産が中国で発表した新型EVセダン「N7」とは、どのようなクルマなのでしょうか。
■日産に新型ハードトップセダン
2024年11月に開催された「広州モーターショー2024」。中国の広東省広州市で開催され、中国現地で勢力を拡大する新興EVメーカーはもちろん、日系メーカーもブースを出展し、新型車などのお披露目がなされました。
そんな日系メーカーの中でも、日産の現地合弁会社である東風日産が発表した新型電気自動車の「N7」が注目を集めました。
新型N7は、中国では未だに高い人気を誇っているセダン型のボディを持ったニューモデルです。
2024年4月に開催された「北京モーターショー」で発表されたコンセプトカー「ニッサン エポック・コンセプト」の市販モデルとされます。
フロントマスクには日産のデザインアイデンティティである「Vモーション」デザインを採用し、テールランプは横一文字の現代のトレンドを取り入れました。
サイドシルエットはサッシュレスドアでありながらも極端なクーペ風ではなく、実用的なセダンライクになっている点も特徴です。
ボディサイズは全長4930mm×全幅1895mm×全高1487mmとなっており、2022年まで日本国内で販売されていたラージセダン「フーガ」2代目モデル(全長4980mm×全幅1845mm×全高1500mm)に近いサイズとなっています。
日本車として見れば、この大きな体躯はもはや「フラッグシップモデル」サイズとなっていますが、中国ではミドルサイズに位置するもので、「最新の技術を搭載し、先進的なライフスタイルを送る都市部のユーザー向けに開発された1台」とアナウンスされていました。
また、新型N7は東風日産の新しい「モジュラーアーキテクチャー」を採用する最初のモデルとされており、今回の広東ショーでの発表はBEV(電気自動車)でしたが、PHEV(プラグインハイブリッド)モデルもラインナップされるとのこと。
PHEVモデルが存在するということは、HEV(ハイブリッド)モデルへの転用もそこまで難しくないと考えられ、日本市場への投入も期待したいところです。
一時期の日産は5ナンバーの小型セダン「ラティオ」から「シルフィ」、ミディアムサイズの「ティアナ」「スカイライン」、先出のフーガや最上級の「シーマ」と幅広いセダンラインナップを誇っていました。
一方で現在、セダンはガソリンターボのスカイラインの1車種のみと寂しい展開となっており、もし国内投入されれば、乗り換え先のないセダンユーザーの受け皿になる可能性は高いでしょう。
ただ、東風日産ではN7を「中国で開発・生産する、中国のユーザーに向けたモデル」とアナウンスしており、実際に日本へ導入されるのかは一切不透明な状態です。
とはいえ、発表時点では、中国から海外への輸出も計画されているといい、その中に日本が含まれている可能性もゼロではないかもしれません。