福島県の石畑自動車は以前にスズキ「ジムニー」をトラックとしてカスタムしました。新たな個体が登場したようですが、どのような特徴があるのでしょうか。
■これがスズキ「2人乗りジムニートラック」です!
スズキ「ジムニー」をトラックとしてカスタムした車両が福島県で発見されたことで以前話題になりました。
今回、同じカスタムを施した新個体が同じ店舗で登場したようですが、いったいどのような車両なのでしょうか。
ジムニーは1970年から発売されている、スズキ伝統のオフロード向け4WD軽自動車です。
現行モデルは2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジとして登場しました。これは「JB64型」と称されます。
伝統の「ラダーフレーム」、「FRレイアウト」、「副変速機付パートタイム4WD」、「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」を継承しつつ、走行性能はさらに進化。
パワートレインは専用チューニングのR06A型ターボエンジンを採用し、変速機は5速MTと4速ATから選択可能です。
デザインは合理的で機能美を追求したものとなり、オフロードでの実用に適したものとなっています。
海外展開も積極的で、こちらは特に新開発の小型車用K15B型1.5Lエンジンを搭載した派生モデルである「ジムニーシエラ」が中心です。こちらは通常のジムニーと区別して「JB74型」と称されます。
そんなジムニーですが、福島県の石畑自動車が2023年に車体後部を荷台に取り替えトラックとしてカスタムしたことで話題になりました。
同店の製作者は、遠方からも「見に行きたい」と問い合わせが寄せられるほどの好評を博し、製作された2台とも関東のユーザーが購入するに至ったと語ります。
そんな石浜自動車から、同様のカスタムを施したジムニートラックが再び登場したようです。
ベース車も前回と同様で、ジムニーJB64型のうち最上位グレードであるXCを使用。
JB64ベースのカスタムは以前のカスタムから数えて3台目であり、改良を加えた結果完成形になっていると製作者は語ります。
後部の荷台は同じくスズキの「キャリイ」と組み合わせているため、抜群の親和性も前回のカスタムから引き続き持ち合わせているものです。この組み合わせについて前出の製作者は次のように話しました。
「軽トラックの実用性をなくすことなく、ジムニーの乗り味も崩さないことにこだわりました。
荷台も小さくはなりますが通常のキャリィと同様、三方開きで使用できます」
一方で前回と比較すると目をひく特徴がいくつかあり、特にボディカラーの違いが目立ちます。
前回はグレーでしたが、今回は現行ジムニーが登場した際に用いられていた明るい黄色であるキネティックイエローを採用。印象は大きく変わっています。
そして車体前面を見るとフロントバンパーまでキネティックイエローで統一されているのがわかります。
これはベース車には無い特徴であり、今回特にこだわったポイントのようです。
そんなジムニートラックの新個体ですが、どのような経緯でカスタムされたのでしょうか。前出の製作者は次のように語ります。
「ジムニートラックは大昔の国内のスズキや海外のスズキで販売されたことがあるため、日本でもあればいいのにと思っていました。
そこで、提携先の板金屋とも相談しながら作成しました。
初めはJB23Wで作成し、職人とも意見を出し合いながら、改良を重ね今に至ります。
当社のある二本松市は山間部の地域もありますが、通常のジムニーでは荷物を積むのにも限界があります。
ジムニートラックのようなクルマがあれば、山仕事の人や猟師にとって便利ですし、ソロキャンパーにも重宝されるのではないでしょうか」
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製作者は元々スズキのディーラーで勤務していたため、ジムニーを特に愛好しているようです。
そのため、今後同様のカスタムをするとしてもジムニー以外の選択肢は無いと言います。