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車の「フロントガラス交換」近年なぜ高額に? 「数十万円超え」の請求例も! “そのまま放置”は「絶対NG!」 走行中「突然の悲劇」 どう対処すべき?

くるまのニュース 2024年12月18日 18時40分

飛び石などでクルマのフロントガラスを交換する費用が近年、非常に高額になっています。一体どういうことなのでしょうか。

■走行中に「ビシッッ!」 放置はNG

 飛び石などでクルマのフロントガラスに傷がついてしまうことがあり、傷の大きさや深さによっては、フロントガラス交換が必要になることがあります。
 
 しかし近年、そのフロントガラスの修理代が非常に高額になっているといいます。一体どういうことなのでしょうか。

 走行中、前方から「ピシッ!」という大きな音が聞こえて、驚いた経験があるかもしれません。

 これは前方を走行しているクルマなどが跳ね上げた石がフロントガラスに打ち付け、傷やヒビが入った音です。

 特に、高速道路などスピードの速い道路で、トラックなど大型車の後ろを走行する時には飛び石のリスクが高まります。

 また、対向車から飛んでくることもあり、飛び石の出どころを探ることは基本的には困難です。

 小さいものでは数ミリ~1センチ程度の場合もありますが、なかには非常に大きく、喰らってしまっただけで大きな割れにつながることもあります。

 そして小さかったとしても、放置すると気温や直射日光などでヒビ割れ、徐々に拡大する可能性があるほか、真夏では傷が虫眼鏡のように働いて車内の火災を引き起こす可能性があるため、飛び石傷に気づいたら早めに対処しなければなりません。

 飛び石による傷の修理は「ガラスリペア(ウインドウリペア)」と言われる部分的な補修か、フロントガラスの交換のどちらかになります。

 ブルドッグの目玉のような「ブルズアイ」と呼ばれる傷であれば、ガラスリペアによる補修ができることもありますが、傷が小さくても一文字や星型をしている場合や、長いクラックが生じている時は補修できません。

 ガラスリペアは傷が生じている部分を空気を抜いた状態に、加圧しながら特殊樹脂でできた補修剤を注入して紫外線により硬化するという修理方法です。

 ディーラーや修理業者に依頼すると2万円前後の費用がかかりますが、カー用品店などで補修キットが販売されているため、自分で修理することも可能です。

 ただし、完全に元通りにすることはできないため、数か月~数年後にひび割れとなって広がることもあります。

 ガラスリペアで補修できない傷や大幅なクラックが生じている場合は、フロントガラスを丸ごと取り換える必要があります。

■「修理代30万円」のケースも? どういうことなのか

 中国地方のスズキ販売店スタッフは、フロントガラスの飛び石について、次のように説明します。

小さい傷でも油断NG 大きな割れにつながることも

「当店では、飛び石によるフロントガラスの部分補修は1万7000円ほどで承っていますが、実は費用のほとんどが使用する補修剤費用です。ただし、傷の形状によっては完全に埋めることが難しい場合もあり、数年後にヒビが広がる可能性もあります。

 そのため、当店ではフロントガラスの交換をおすすめしています」

 フロントガラスの傷は、うまく補修できたとしても車検でNGと可能性もあるほか、やはり突然大きなヒビに成長してしまうこともあるため、可能であればフロントガラスを交換してしまたほうがベターです。

 いっぽう、フロントガラス交換がやはり高額になりがちです。どうすればいいのでしょうか。

「どうしても費用が高額になるため、ひとまず応急処置として補修を希望される方もおられます。

 費用に関して、加入している自動車保険に車両保険がついていれば補償対象となりますし、1等級ダウンで済むので、保険を使ってフロントガラスの交換をおすすめしています。

 フロントガラスの交換となった場合、費用はガラス交換が10万円からが目安です」(スズキ販売店スタッフ)

 フロントガラスの交換費用は車種によっても異なるものの、一般的には10万円前後となる場合が多いようで、大きな出費になってしまいます。

 その場合は、車両保険に加入していれば「事故」という形で処理されるため、持ち出しは少なく済むでしょう。

 いっぽう、近年ではフロントガラスの交換費用が高額化しているのだといいます。

「近年のクルマには、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱抑制・警告機能などの安全装備がついていることが多くなっています。

 この(安全装備で使う)センサーカメラはフロントガラスに設置されており、フロントガラスを交換した時には『エーミング』という調整作業が必要です。

 エーミングには5万円ほどの費用がかかるため、センサーカメラのついたクルマのフロントガラス交換は15万円ほどが目安となります」

 現在、新車は先進運転支援機能(ADAS)の装着が義務付けられています。その多くがフロントガラスの上部にセンサーやレーダーなどを設置しており、フロントガラスはこうした機器に対応するようになりました。

 そのため、センサーの働きを妨げないように、ホコリやゴミなどが入らないようになているほか、ガラスの透過性も、乱反射や汚れなどで先進機能が誤作動しないように設計されているのです。

 こういった理由から、そもそものガラス代が高額になるうえ、交換時も先進機能がしっかり働くように、厳重な調整が必要になるのです。

 これはスズキだけでなく他メーカーでも同様で、例えばトヨタ「ヴェルファイア」現行型のフロントガラス交換はディーラーで25万円、スバル「フォレスター」でもディーラーで約30万円となっています。

※ ※ ※

 フロントガラスに傷があると、視界の確保が充分にできていないと判断されて、車検に通らない可能性だけでなく、突然の破損や車両火災につながるため、早めに修理や交換を行いましょう。

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