取り回しやすいコンパクトなボディに両側スライドドアを採用したほか、使い勝手の良い3列目座席など、高い利便性が支持されてきた「シエンタ」。現行モデルの3代目には、約200万円の最廉価グレードXが存在するといいますが、どのようなクルマなのでしょうか。
■コスパ最高の“7人乗りコンパクトミニバン”
2003年に登場したシエンタは、取り回しやすいコンパクトなボディに両側スライドドアを採用し、使い勝手の良い3列目座席など、高い利便性が支持されてきた。
現行型となる3代目は2022年8月に発売。モダンで親しみやすいデザインに一新したほか、TNGAプラットフォームや最新のハイブリッドシステムの採用による走行性能の向上、先進運転支援「トヨタセーフティセンス」の機能熟成などの刷新を図っている。
ラインナップは1.5リッター3気筒ガソリンと同エンジン+モーターのハイブリッドモデルを用意し、駆動方式は2WD(FF)とハイブリッドモデルのみ4WDが設定された。
このうち、最廉価モデル「X」の1.5リッターガソリン車で車両本体価格(消費税込)203万5200円。7人以上が乗車できる国産ミニバンとしては最安となり、各種税金などを含めても220万円程度で乗り出すことができる。
だが、装備などの面では必要なものに絞られている傾向にあり、ヘッドライトやテールライトがシンプルなデザインに変更され、グリル周囲の金属調加飾やアルミホイールなどは省略。ボディカラーも4色のみに限定される。
機能装備ではスライドドアが助手席側のみ電動で、運転席側は手動。エアコンも簡素なダイヤル式のマニュアルエアコンとなり、オーディオは省略される。
インテリアも、インパネやドアアームレストなどにプラスチック材がむき出しとなり、メーターも4.2インチの液晶とアナログ指針を組み合わせたものを装着。カラーもブラック1色の用意となる。
一方で、トヨタセーフティセンスをはじめ、LEDヘッドランプやパーキングサポートブレーキ、サイド・カーテンエアバッグなどは標準装備され、安全性能では上級タイプとあまり遜色なく、必要にして十分といえよう。
シエンタのユーザーからの反応では、圧倒的に「室内の使いやすさ」がその理由となっており、多くが居住空間の広さに満足しているようだ。
最大7人が乗れるシエンタは、小さくても車内の広さにとことんこだわり、居住スペースはもちろん、3列目シートを格納すれば広々とした荷室が出現する。
2列目の席を一番後ろまでスライドするとゆったりできることが特徴で、ユーザー反応においても66%が「広さに満足」しているという結果に表れている。
シエンタで大切な家族との、快適で楽しい時間を過ごしていることが伝わってくる。
「車内空間の広さ」にこだわっているシエンタなら、コンパクトでも車内の広さを妥協しなくて大丈夫だ。
加えて、シエンタはスライドドア部の乗り込み口の高さが地上からわずか330mm。
フロアをフラットにして乗降をアシストするグリップもついているので、誰でも楽に乗り込むことができる。多くの方が「乗り降りのしやすさ」を購入の決め手に挙げ、購入後に利便性を実感しているようだ。
なお、シエンタは2024年5月に、メーカーオプション設定の変更や装備の充実化などの一部改良が実施されている。
Xではオプションとして用意されていたスマートキーが全車標準装備化し、4万円ほど値上がりとなったことで、200万円を若干超える設定となっている。