トヨタの16代目「クラウンシリーズ」のなかには、「クロスオーバー」「スポーツ」「エステート」といった3つのSUVをラインナップしていますが、海外では上記の3モデル以外にも、クラウンの名前を冠したSUVが存在しています。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■クロスオーバー・エステート・スポーツ以外にも「クラウンSUV」あった!
トヨタが2022年に発表した16代目「クラウンシリーズ」では、これまでの伝統を色濃く踏襲したオーソドックスな「セダン」、セダンとSUVを融合させた「クロスオーバー」。
ハッチバック型SUVの「スポーツ」、そしてステーションワゴンとSUVを融合させた「エステート」と、全4車種のうち3モデルがSUVとなっているのが特徴です。
それに加えて、海外では上記の3モデル以外にも、これらとは全く異なるデザインを持つクラウンの名前を冠したSUVが存在しています。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは「クラウン クルーガー」です。
同車はトヨタが中国市場に向けて投入したフラッグシップSUVで、2021年にデビュー。
中国国内で生産される専売モデルとして展開されています。
ちなみに日本市場で展開される16代目クラウンとの繋がりはなく、同社の「ハイランダー(4代目)」をベースとし、フロントグリルやバンパーのデザインを変更することで独自性を持たせています。
そんなクラウンクルーガーですが、2024年6月にアップデートが施されており、内外装ともに大きな進化を遂げました。
ボディサイズは、全長5015mm×全幅1930mm×全高1750mm、ホイールベース2850mmと、エステート(全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベース2850mm)よりも大きなサイズ感で、ゆとりある空間を提供します。
エクステリアは、基本的にはベースのハイランダーに準じたデザインとなっていますが、なかでもフロントデザインにクラウンらしい高級感が反映されており、グリル中央の大きな王冠エンブレムがひと際目を引きます。
また、ロアグリルの形状やガーニッシュは専用デザインに置き換えられ、クラウンクルーガーならではの存在感を主張しています。
足元には、20インチのアルミホイールを装備し、改良とともにシルバー塗装もラインナップに追加。
ボディカラーにも新たに「ダークブルーマイカ」が加えられ、ブラックやシルバー、ホワイトが中心だったカラーラインナップに彩りをもたらしています。
インテリアに関して、シートレイアウトは3列7人乗りとなっており、2列目は6:4、3列目は5:5の分割可倒式を採用。
乗車定員や荷物の量に合わせて、自在なシートアレンジが可能です。
そしてナッパレザーシートや木目調加飾が追加され、高級感をアップ。
さらに機能面では、チップセットにクアルコム製スナップドラゴン8155を採用し、演算能力を約4倍高めたり、下位グレードのセンターディスプレイが10.25インチのものへと拡大したことや、運転支援機能「Toyota Safety Sense 3.0」へのアップグレードなど、多岐に渡る改良の手が施されました。
パワートレインは2種類をラインナップ。
環境性能に優れた2.5リッターハイブリッド(システム最高出力246PS)はFFと4WDの設定があり、燃費性能と走行性能のバランスが魅力です。
一方、2リッターターボ(最高出力248PS)は4WD専用で、よりパワフルな走りを求めるユーザーに対応します。
これらの多様な選択肢が、中国の消費者のニーズに応えています。
なお、価格は28万4800元(約601万円)から33万2800元(約702万3000円)と設定され、グレードによっては従来モデルよりも最大3万5000元(約73万8000円)の値下げが行われたのも大きな魅力です。