2013年に開催された「東京オートサロン」でトヨタが出展した「GRMN SPORTS FR Concept PLATINUM」はどのようなモデルだったのでしょうか。
■「次期スープラ」みたいなFRスポーツコンセプトとは?
2013年に開催された「東京オートサロン2013」でトヨタは、「GRMN SPORTS FR Concept PLATINUM(以下、GRMNスポーツ FR コンセプト プラチナム)」というコンセプトカーを出展しました。
同コンセプトカーはトヨタのレーススポーツ部門である「GAZOO Racing」がチューンを手掛けた1台で、当時「次期スープラ」として注目を集めたモデルです。
GRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムが登場する前年の2012年、トヨタは「86」をベースとするコンセプトカー「GRMN SPORTS FR Concept(以下、GRMNスポーツ FR コンセプト」を発表しました。
このGRMN SPORTS FR Conceptはツインチャージャーを搭載し、専用のサスペンションを備えたサーキットスポーツモデルで、高レベルのスポーツ走行が楽しめるものでした。
そしてGRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムは、GRMNスポーツ FR コンセプトをさらに進化させたコンセプトカーとして登場したのです。
GRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムの特徴はスタイリングです。
GRMNスポーツ FR コンセプトではベースであるトヨタ86のデザインを残していましたが、GRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムは若干の面影があるものの、別物といっていいほどのカスタマイズが施されています。
例えば、ヘッドライトは吊り上がった横長型の専用ライトに変更。リアも4連のコンビネーションランプになっています。
また、ボディサイズは、全長4350mm×全幅1855mm×全高1250mmと、86(全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mm)よりワイド&ロー化され全長も延長。
全体的にグラマラスな仕上がりで、シルバーのボディカラーも相まって、「A80型スープラ」を思わせるデザインでした。
実際にトヨタも「スープラが持っていたスポーツカーの憧れや輝き。その思いを現代に蘇らせたハイパフォーマンスコンセプトカー」とリリースしており、スープラの復活を具体的に予感させる1台でした。
外見だけでなく、中身も「ハイパフォーマンスコンセプトカー」にふさわしい仕様でした。
例えば、エンジンは2リッターエンジンでありながら、ターボチャージャーとスーパーチャージャーを組み合わせることで最高出力330馬力を実現。これに3ペダルの6速MTを組み合わせます。
また、サスペンションも、前身のGRMNスポーツ FR コンセプトと同様に専用のチューニングが施されたもので、ブレーキキットなども専用の装備が与えられていました。
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当時はGRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムが次期スープラになると予想した人もいたのですが、その後2019年に5代目スープラ、通称「GRスープラ」がBMWとの共同開発モデルとして登場。
GRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムは次期スープラには選ばれませんでした。
しかし、「A80型スープラ」の面影を感じさせるGRMNスポーツ FR コンセプト プラチナムが好きだった人が多くいたのも事実。いつかは市販化されることを期待して待ちましょう。