12月17日午前6時半ごろ、静岡県浜松市内の国道1号バイパスをクルマで逆走して対向車と正面衝突し、23歳の男性を死亡させたとして24歳の自称・会社員の男が過失運転致死と酒気帯び運転の疑いで逮捕されました。これまで飲酒運転に対しては厳罰化が進み、世間から厳しい視線が向けられているものの、痛ましい事故は後を絶ちません。
■12月は忘年会シーズンで要注意!飲酒事故が多い傾向も
2024年12月17日午前6時半ごろ、静岡県浜松市の国道上で飲酒運転の車両が逆走して対向車と正面衝突し、対向車のドライバーが亡くなる事故が発生しています。
このような飲酒運転が後を絶たない中、事故に対してはどのような反響が寄せられているのでしょうか。
12月17日午前6時半ごろ、静岡県浜松市内の国道1号バイパスをクルマで逆走して対向車と正面衝突し、23歳の男性を死亡させたとして24歳の自称・会社員の男が過失運転致死と酒気帯び運転の疑いで逮捕されました。
男は酒を飲んだ帰りとみられており、警察は事故当時の状況に加え、男がどこから逆走したのか、またどれくらいの量のお酒を飲んでいたのかなどについて詳しく調べています。
これまで飲酒運転に対しては厳罰化が進み、世間から厳しい視線が向けられているものの、痛ましい事故は後を絶ちません。
今回の事故に関してインターネット上では「飲酒運転なのになぜ過失運転致死なの?」「飲酒運転=危険運転にしてほしい」「お酒を飲んで運転している時点で殺人と同じでしょ」など厳しい声が多く寄せられています。
加えて、「危険運転の適用要件をもっと明確にしてほしい」「飲酒運転は罰則が甘すぎる」など、法律の改正やさらなる厳罰化を求める意見も聞かれました。
現在、危険運転致死傷罪に当たる行為については自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)第2条に規定されており、次のような運転行為が該当します。
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●アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
●進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
●進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為(無免許運転など)
●他の人や車両を妨害するような運転行為(割込み、幅寄せなど)
●信号を殊更に無視し、なおかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
●通行禁止道路を進行し、なおかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
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しかし危険運転に関してはこれまで適用のハードルが高く、たびたび「適用要件があいまい」との指摘もありました。
これを受け、現在法務省の有識者検討会においては「体内のアルコール濃度が●ミリグラム以上なら危険運転」というように、危険運転致死傷罪の適用要件を明確にする方策などの議論が進められています。
なお今回の死亡事故では、男の逮捕時点で危険運転の適用要件を満たさなかったことから、過失運転致死罪で逮捕されたものとみられます。
2021年大分市において、時速194キロで走行したクルマが他のクルマに衝突して相手を死亡させた事故では、のちに検察が過失運転致死罪から危険運転致死罪に訴因変更をおこなった事例もあり、このたびの事故も今後の動向が注目されます。
そして、特に12月は飲酒運転に注意が必要です。
やや古いデータではあるものの、警察庁が集計した2010年~2014年における飲酒運転の月別交通事故件数では12月の事故が2311件と最も多く、次いで10月と11月が同数の2075件でした。
これは12月が忘年会シーズンであり、飲酒機会が増えることが要因といえるでしょう。
また故意に飲酒運転をするつもりがなくても、通勤時に「二日酔い」状態で運転して検挙されるケースもみられます。
一般的にアルコールの分解に必要な時間は男性の場合、生ビール中ジョッキ1杯(500ミリリットル)で約4時間といわれており、性別や体質、体調などによってはもっと時間がかかることもあります。
飲み会の際には飲酒量に注意するほか、飲酒した翌日は状況に応じ、公共交通機関を利用して通勤するようにしましょう。
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12月は飲酒事故が増える傾向にあり、警察でも積極的な飲酒検問や取り締まりをおこなっています。
また何より悲惨な事故を起こさないためにも、各ドライバーが自分事として気をつける意識が大切です。