「免許証の12ケタの数字から学科試験の点数がわかる」という噂は本当なのでしょうか。数字ごとに隠された「意味」について迫ります。
■免許証の「12桁の数字」実は深い意味があった
「運転免許証の12ケタの数字で、学科試験の点数がわかる」という噂があります。具体的には「5~6ケタ目の2ケタを満点の100から引くと学科試験の点数になる」というものです。
さらに「免許証を紛失した回数もバレる」とも聞きます。
ネット上を中心に現れては消えるその噂は、果たして本当なのでしょうか。
免許証の12ケタの数字には、それぞれきちんと意味があるのは事実です。数ケタごとに区切られて、いろいろなことが分かるようになっています。
左側の数字から、順番に見ていきましょう。
【左から1~2ケタ目】
運転免許を最初に取得した「都道府県」、つまりあなたが免許試験を受けて、免許証を交付された場所を示しています。「30」であれば東京、「61」であれば京都、「73」であれば広島といった具合です。
【左から3~ 4ケタ目】
運転免許証を、区分に関わらず最初に取得した「西暦の下2ケタ」を意味しています。例えば、高校生のときに原付免許を取得し、18歳になって普通自動車免許を取得した人なら、最初の「原付免許を取得した西暦」が記載されます。
【左から5~ 10ケタ目】
この6桁は、正式には「交付番号」と呼んでいる、免許証ごとに固有の、いわゆるシリアルナンバーです。
当該年ごとに振られていて、6ケタであることから、年間で約100万人分の固有番号枠が確保されていることになります。
■最後の「2つの数字」が一番スゴいって!?
【左から11ケタ目】
この部分は「チェックディジット」と呼ばれる数字で、番号入力の際に打ち間違いがあった時に検知できるために存在しています。
分かりやすい例で言うと、「固有番号を9で割った時の余り」を最後に付ける決まりだとして、自分が64番であれば「641」を全体番号だとします。
もし打ち間違えて「621」と打ってしまった場合、このルールではそんな番号は存在し得ないので、3つのうちどれかが打ち間違いだ、と分かるわけです。こうしたチェックディジットは、身近なところでは、クレジットカード番号にも採用されています。
ちなみに、免許証の場合は、非常に複雑なルールでチェックディジットが計算されています。
(1)免許番号の1〜10桁に、それぞれ指定された「ウエイト」の数字を掛ける。
具体的には、1ケタ目の数字には5を掛け、2ケタ目には4を掛け、以後3→2→1→7→6→(略)2→1となっています。
(2)1で求めた「ケタ数字×ウェイト」の計算値を、10ケタ分すべて合計する。
(3)合計を11で割った余りを求める。
(4)その余りからさらに11を引いた数字を、免許番号11ケタ目とする。
【左から12ケタ目】
一番右端の数字は、免許証の「再発行回数」を示しています。ちなみに、10回紛失すると「0」ではなく「1」になるといいます。2000回紛失した場合は「2」になる計算です。
さらにちなみに、免許証の交付年月日の横に書かれた5桁の数字は、各都道府県の公安委員会が個別に定める、公布日ごとに発行される一連の照会番号となっています。
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免許証の番号にはこのような意味があり、「再発行回数」が分かるのは事実ですが、「学科試験の点数」が隠されているというのは、事実ではありません。あくまで「都市伝説」の域を出ない噂と言えるでしょう。
しかし一方で、11ケタ目の「チェックディジット」や12ケタ目の「再発行回数」など、少しワクワクしたり、逆にドキッとするギミックになっていて、眺めると楽しむことができます。
「ほほう、10で始まっています。あなたが免許を取ったのは北海道ですね」など、話のタネになるかもしれません。ただし、出身地の詮索を嫌がる人もいるので、ほどほどにしておきましょう。