ホンダの主力コンパクトカー「フィット」には、小さな高級車といっても過言ではないラグジュアリー仕様が存在します。いったいどんなクルマなのでしょうか。
■新車230万円で買える「小さな高級車」
コンパクトカーは、都市でも取り回しやすいサイズに必要十分なパワーユニットを備え、手頃な低価格が魅力です。しかし、その分内装の質感はやや質素な傾向にありました。
いっぽう現在、コンパクトカーであっても高級感のある内装を持つものも増えました。2024年9月に改良されたホンダ「フィット」も、まさにそんな1台です。
フィットは2001年に登場したコンパクトハッチバックです。
独自のFプラットフォームがもたらす広い室内空間や、使い勝手のよさが評価されており、初代登場時よりコンパクトカージャンルをけん引する1台となっています。
現行型は4代目で、2020年2月に発売。
欧州車のようなカジュアルなスタイルに一新にしたほか、ホンダ独自の2モーターハイブリッド「e:HEV」を設定による走行性能と燃費の向上、先進運転支援システム「ホンダ センシング」搭載により、安全性の向上も図っています。
2022年10月にはマイナーチェンジが実施されており、ガソリンエンジンは1.3リッターから1.5リッターへと排気量をアップし、パワーの向上を図りました。e:HEV車も出力アップしています。
さらに、渋滞アシストや急アクセル抑制機能の追加などのホンダ センシング機能向上、内外装デザインのリフレッシュを図り、いっそう商品力を強めています。
2024年9月の改良では、全グレードでオートリトラミラーや全席オートパワーウィンドウ、助手席シートバックポケット、ラゲッジルームランプが追加され、各グレードでも装備の充実化を図りました。
ボディサイズは全長3995-4095mm×全幅1695-1725mm×全高1515-1570mm、ホイールベースは2530mmです。
そんな現行型フィットですが、グレード展開は装備差でランク分けするものではなく、基本装備を共通させ、内外装の仕立てを変更するというラインナップとしています。
そのため、ユーザーのライフスタイルや好みにあったグレードを選ぶことができます。
このうち最上級モデルの「LUXE(リュクス)」は、上級クラスに匹敵する豪華な仕立てで、「小さな高級車」といっても過言ではないラグジュアリー感を演出しています。
全6タイプ中、唯一本革シートが標準装備され、前席シートヒーターやステアリングヒーターを装備。快適性能も確保しました。
さらに、オプションで用意されるカラーの「ライトブラウン」(4万4000円)では、そのラグジュアリー感がより一層引き立つものとなります。
これを選択すると、シートだけでなく、メーターパネルやオーディオ周辺などのインパネの上部に加えて、フロントドアトリムやセンターコンソールがベージュ系に変更。インテリア全体が明るくなり、本革の質感が強調されます。
シートの仕立ても変更され、ブラックのパイピングがあしらわれるほか、背面・座面部にキルティング加工とパーフォレーション(穴あけ)が施され、ワンクラス以上の高級車のような上質な雰囲気がただよいます。
エクステリアもLUXE専用のメッキ加飾がフロントバンパーやサイド、テールゲートに備わり、専用デザインの16インチホイールが装着されるなど、特別感のあるものとなっています。
価格(消費税込)は中間グレードの「HOME(ホーム)」と比較すると32万100円高くなりますが、それでもガソリン・FFモデルでは230万5600円、e:HEV・FFモデルでも264万3300円と、比較的手頃に設定。
普段使いするコンパクトカーでありながらも、少し特別で上質感が欲しい場合には、良い選択肢になりそうです。
※ ※ ※
フィットではLUXEやHOMEのほかに、エントリーモデル「BASIC(ベーシック)」やスポーティな「RS」、アウトドアに映えるクロスオーバースタイルの「CROSSTAR(クロスター)」をラインナップ。
またHOMEには専用のブラック加飾で精悍に仕立てた特別仕様車「BLACK STYLE(ブラックスタイル)」も用意され、幅広いバリエーションを用意しています。