2025年1月に開催が迫る東京オートサロン2025ですが、2020年に開催された東京オートサロン2020では、スズキ「カプチーノ」をベースに、トヨタ「2000GT」を再現したカスタムカーが出展されていました。どのようなクルマだったのでしょうか。
■トヨタ「2000GT」を50年ぶりに復活させた「2020GT」の正体とは!
「2020GT」は、トヨタの名車「2000GT」を現代に蘇らせたカスタムカーである。この車両は、日本自動車大学校(NATS)のカスタマイズ科が、東京オートサロン2020向けに製作したものだ。
トヨタ「2000GT」は、トヨタが1965年の東京モーターショーでプロトタイプを発表し、1967年5月に発売している。
1967年から1970年とわずか3年余りしか販売されておらず、生産台数はわずか337台だ。
エクステリアデザインは「ロングノーズ・ショートデッキ」と呼ばれる英国製スポーツカーのフォルムを取り入れ、曲面を多用した流麗なファストバックとなっている。
エンジンは2リッター直列6気筒DOHCを搭載。キャブレターを3連装し、最高出力150馬力を誇っていたのだ。
2000GTは当初の目標だった「最高速度220km/h、0-400m加速15.9秒、0-100km/h加速8.6秒」という世界トップクラスの動力性能を達成した。
サスペンションには、4輪ダブルウィッシュボーンを採用し、4輪ディスクブレーキ、マグネシウム製ホイールを装着するなど、日本の量産車としては初搭載されるものがいくつもあったのである。
発売後には、1967年にフロントマスクのデザイン変更などマイナーチェンジがおこなわれ、販売終了となる1970年までの生産台数はわずか337台にとどまった。
そんな名車2000GTを再現し現代に蘇らせたのが、東京オートサロン2020年に出展された「2020GT」だ。
ベース車両として、スズキの軽スポーツカー「カプチーノ」(1992年式)を使用している。
ホイールベースを250mm延長するなど、2000GTの特徴であるロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを再現するべくボディは大幅に改造されている。
2000GTの特徴でもあるリトラクタブルライトには、マツダの初代「ロードスター(NA型)」の物を流用したのも特筆すべき点だろう。
その他、テールライトや砲弾型フェンダーミラーは汎用品を使用し、オーバーフェンダーにはESB製の「Battle Works」を装着している。
足まわりはホイールにレイズ製「TE37V」、タイヤをトーヨー製「TIRES PROXES R1R」を装着し、エンジンは、カプチーノに搭載されているスズキの名エンジン「F6A」をそのまま流用しているという。
制作コンセプトについてNATSは、「“旧車界の異端児”をテーマに不朽の名車トヨタ2000GTをカプチーノで復刻。最新のカスタム“スタンス”を取り入れ、今までにないカスタムカーを製作しました」と説明している。
ボディの延長に伴い、フロントサイドメンバー、ブレーキパイプ、ラジエーターホース、コンデンサーパイプ、配線など、多岐にわたる改造が施され、これらの作業は非常に手間がかかるだろうし、完成までに多くの時間と労力が費やされたことが伺える。
このようにして誕生した2020GTは、軽自動車でありながら、2000GTの美しいデザインと現代のカスタム技術を融合させた、唯一無二の存在であることは間違いないだろう。