ダイハツ「ロッキー」の姉妹車としてトヨタブランドで販売されている「ライズ」は、実は新車ランキングで上位をキープし続けています。どのような魅力があるのでしょうか。
■SUVで常に上位をキープする「ライズ」
ダイハツが開発した小型SUV「ロッキー」の姉妹車として、トヨタブランドで販売されるのが「ライズ」です。
ダイハツの不正問題による出荷停止などの影響もあって2024年11月期は順位を落としましたが、常にトップ10位内をキープ。
トヨタ「ヤリスクロス」「カローラクロス」に次ぐ人気SUVとなっています。
もちろんディーラー網の規模が違うこともあるでしょうが、本家のロッキーの約5倍以上も売れている、“究極のOEM車”なのです。
ライズの魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。
ライズの外観は、トヨタのSUVデザインに基づいたフロントマスクを装着し、“トヨタ車らしく”仕立てられていますが、基本的に中身はロッキーと一緒で、生産もダイハツが行います。
全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm(4WD)と、国内のトヨタSUVで最小のサイズにとし、SUVらしいボディ形状を採用。2WDは1.2リッターエンジン、4WDは1リッターターボエンジンを搭載します。
さらに、2021年にはダイハツが開発した「e-SMARTハイブリッド」モデルも追加。1.2リッターエンジンと組み合わせたこのハイブリッドシステムは、エンジンを発電専用とし駆動力はモーターが担うシリーズハイブリッド式となっています。
安全装備もダイハツの「スマートアシスト」が標準搭載され、現代のクルマらしい高い安全性を確保しました。
2019年の登場から5年経過したライズですが、誰もが扱いやすいSUVとして人気となっています。
ユーザーに話を聞いてみるとルックスの良さに魅力を感じる人が多く、「格好良くて乗って大満足」(20代男性)、「デザインが気に入って購入」(50代男性)、「サイズ以上の存在感」(40代男性)と、男性からの熱い支持を得ていることがわかります。
また180万円台から狙える価格設定も好意的に受け取られているようですが、コストダウンの影響なのでしょうか、インテリアの質感に対しては不満の声が多いようです。
高級感を求めていないユーザーだとしても「正直インテリアは安っぽい」(20代男性)といった意見も存在。
スマートフォンと連携する「ディスプレイオーディオが標準装備じゃない」といった装備面に対する意見もありましたが、2024年11月の一部改良でディスプレイオーディオが全車標準装備となり、ユーザーの不満のひとつが解消されたといえるでしょう。
また、走りに関してですが、3気筒エンジンなので滑らかさはないものの、パワーなどストレスを感じるといった声は少なく、「ロール量などは多いがハンドリングはシャープ」(30代男性)と操縦安定性を評価する人もいます。
さらに、普段使いでは着座位置の高さによる良好な視界が評価されているようです。
ただし、そのルックスとは裏腹に悪路走破性に関する声はあまり聞こえてきません。
ライズは、SUVというよりも新世代コンパクトカーの一種として乗られるケースが多いため、実際にオフロード走行をするユーザーが多くないのかもしれません。
それよりも、短い全長や高い着座位置、余裕の最低地上高185mmなどにより、初心者でも運転がしやすいモデルに仕上がっていると評価できそうです。
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ロッキーよりも価格が若干高めなのはOEM車の宿命ともいえますが、全国のトヨタディーラーで対応してもらえる安心料とも捉えられます。
一部改良で値上げが実施されたものの、180万700円(消費税込)からという安価で手に入れられることも、ここまでの人気をキープできている理由なのでしょう。