トヨタは2024年11月、スポーツカー「GRスープラ」が生産終了予定であると明らかにしましたが、その直前の8月に発表した新型レーシングカー「GRスープラ GT4 EVO2」に対し、にわかに注目が集まっています。
■集大成の「ファイナルエディション」とも密接にかかわる「エボ2」とは
2024年11月、トヨタ「GRスープラ」生産終了の突然の発表に対し、悲しみの声を上げるファンがSNS上で多く見受けられます。
一方で、8月に発表された「GRスープラ GT4 EVO2(エボ2)」に対してもにわかに注目が集まっています。どのようなクルマなのでしょうか。
GRスープラ GT4 EVO2は、世界中のレーシングチームやドライバーからのフィードバックを反映し、パフォーマンスと信頼性、操作性を向上させたカスタマーモータースポーツ車両です。
「GT4」とは、SROがカスタマーレーシング向けに発案したレースカテゴリーで、2006年に誕生しています。
この背景には、「GT3」が世界のGTレースの中心となった昨今、そのカテゴリーに収まりきらないアマチュアドライバーやチームをGT4が受け皿となった、ということがあります。
スープラ GT4 EVO2は、「ドライバーファーストのクルマづくり」を掲げて開発され、ブレーキ、ハンドリング、エンジンのパフォーマンスを向上させ、多様な経験レベルのドライバーにとって運転しやすいクルマに仕上げたとトヨタは伝えています。
また、タイヤの種類、摩耗状況やコースコンディションに応じて最適なブレーキング、およびコーナリングができるように、BSのマップをきめ細やかに再チューニングしています。
このチューニングは日本と欧州サーキットで、さまざまなドライバーの走り込みを通じて行われたとのことです。
さらに、エンジン回転数制御のさらなる見直しをしてシフトダウン時間を短縮するといったソフトウェアのアップデートを行い、ブレーキング時の減速コントロール性を改善し、コーナリングスピードの向上につなげています。
加えて、エンジン、ブレーキ、ドライブトレーンの各冷却性能の向上を図った上、ドライバーが過酷なコンディションでも運転しやすいようコックピット温度の最適化も図っています。これにより、より高いパフォーマンスを維持し続けられるようになっただけでなく、アマチュアドライバーでも運転しやすいように仕上げたとのことです。
パワートレインは、市販モデルとおなじ3.0リッター直列6気筒ターボにZF製8速ATのオートマチックトランスミッションを組み合わせる後輪駆動ですが、エンジンのチューニングは異なります。
最大トルクは660N・mで、最高出力はレギュレーション対応のため可変式となっています。
エクステリアも市販モデルと基本は同じですが、ホイールはOZ製18インチを装着するほか、フロントスポイラーやリアウイングには天然繊維コンポジットを採用し、車体の軽量化を図っています。
インテリアも大きく手を加えておらず、レースのレギュレーションに適合させるため、OMP製レーシングバケットシートとFIA認証の6点式シートベルト、ロールケージ、消火器を装備しています。
車両価格は20万2000ユーロ(約3250万円)となっています。
これについてSNSでは、3300万円近い価格に言葉を失う投稿があるいっぽう「3300万円なら安く見える」「開発費や製作費を考えたら、レーシングカーとしてはむしろ安いかも」など、インパクトのある金額に対するコメントが多数見受けられました。
11月の発表では、スープラの集大成となるファイナルモデル「A90 Final Edition(ファイナルエディション)」を300台限定で発売すると明らかにしました。
この限定車は、GRスープラのモータースポーツ活動で得た知見が多く反映されているといい、空力性能開発などにGRスープラ GT4 EVO2を開発するTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパが担当するなど、2つのモデルは深く関わっていることがわかります。
トヨタは、現行スープラ生産終了予定の発表に際し、「今後もモータ