「東京オートサロン2024」で群馬自動車大学校は、「650vision」というカスタムカーを出展しました。どのような特徴があるのでしょうか。
■「インテグラ」の面影なし!
毎年1月に、カスタムカーのビッグイベント「東京オートサロン」が開催されます。
さまざまなカスタムカーが一堂に会する人気のイベントとなっていますが、メーカーやチューニングショップのカスタムカーのみならず、自動車学校の学生が手掛けたカスタムカーも注目を集めています。
そんななか「東京オートサロン2024」では、群馬自動車大学校(GAUS)カスタマイズ科の学生が卒業製作として作った「650vision」というカスタムカーが話題を呼びました。
一体どのような特徴があるのでしょうか。
650visionは、トヨタ「プリウス」のハンマーヘッドモチーフデザインが取り入れられたクーペモデル。プリウスのクーペ仕様が存在したら、まさにこのようなエクステリアになるのではないかと思わせるクルマに仕上がっています。
同車で驚かされるのは、ボディはホンダ「インテグラ タイプR(2代目・DC5型)」をベースとしていること。ヘッドライトにはプリウスのものを加工して取り付けているので“プリウス顔”となっており、エクステリアでインテグラの面影はありません。
後ろ姿にもこだわっており、テールランプは現行モデルのレクサス「IS」のもので、2020年に行われたマイナーチェンジ以前のモデルに向けて市販されている社外品を使用しており、ブラックの真一文字スタイルは非常にスマートな印象を与えます。
さらにダックテール形状のトランク一体型スポイラーを装着することでスポーティさが強調されました。
また、ボディサイドには大きく盛り上がった前後フェンダーが装着されており、リムの深いホワイトのワークマイスターホイールが使われており、フェンダーの端ギリギリまでホイール面が合わせられた、大胆な仕上がりとしています。
さらに注目すべき点として、ドアハンドルがなく、滑らかなボディラインが強調されていることが挙げられます。
ドアハンドルの代わりとして、クオーターウインドウに組み込まれたセンサーでドアの開閉ができるようになっており、究極的にスタイリッシュなクルマを求める人に是非欲しい機能ではないでしょうか。
インテリアは、リアシートにエアサス用タンクを搭載したり、全面にアルカンターラが使われていたりと高級感あふれる作りになっています。
650visionにはさまざまな手が加えられており、「もはやインテグラでなくともよかったのでは…?」と思われるかもしれません。
しかしこの650visionのコンセプトについてGAUSの学生は、「最近国産車で近未来型なヘッドライトを見かけるようになり、斬新かつスタイリッシュな顔つきに感銘を受け、私達が生まれた年代のクルマを使って、最新のクルマを作りたいと思い製作いたしました」と説明しており、2000年代に活躍したクルマを使用することに意味があったといいます。
2000年代には他にもたくさんのクーペやセダンがありますが、その中でもインテグラを選択した理由について、現在中古車が値上がりしていて、クーペは中古であっても購入するのが厳しいとし、そんななか学校の教材車の中からインテグラが今回のテーマに合っていたためベース車として活用したとのことでした。
650visionの車名の由来は、「60プリウス」の「6」、「インテグラDC5型」の「5」、「IS350」の「0」、そして「vision」は近未来的なイメージを意味するワードとして、それぞれを組み合わせたそうです。
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650visionは完成度が高く、多くの来場者が足を止めて食い入るように車両を見ていたのも印象的でした。
そして、トヨタの豊田章男会長自らがGAUSブースを訪れ、650visionをチェック。「プリウスクーペ」として公認をもらえたほか、ボンネットには豊田章男会長のサインが書き込まれるといったサプライズな展開もありました。