静岡県と神奈川県をつなぐ「国道246号」で、改良事業が進められています。完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
■箱根の県境部の「無料ルート」
静岡県と神奈川県をつなぐ「国道246号」で、改良事業が進められています。
完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
神奈川・静岡県境には箱根山の山系が立ちはだかっていて、道路ネットワークが旧来より貧弱なのが課題でした。
そこを信号ゼロで抜けていくのが「東名高速」です。さらに近い将来は「新東名高速」の県境区間が開通予定で、課題であった秦野中井IC周辺の渋滞緩和も期待されています。
いっぽう、昔からのルートである一般道の「国道246号」が、並行して県境を抜けています。
御殿場・小山方面と松田方面の唯一のまともな一般道路であるため、生活交通でにぎわっています。それだけでなく、やはり「東名の代わりの無料道路」として利用する交通も少なくありません。そのため、朝夕ラッシュや土日などに混雑が見られます。
そうしたなか、この国道246号でもバイパス整備が進められてきました。
まず静岡県側が「裾野バイパス」です。総延長は35.3km。1966年に着工して、少しずつ進められてきました。
国道1号の沼津バイパスから裾野市・御殿場市・小山町を経て、神奈川県境までを丸ごと4車線するこの計画、2005年までにほとんど全てが開通しています(29.5km)。
それから約20年、最後の最後まで2車線のままで残っているのが、小山町内の4.4kmの区間です。
車線が減少する部分がボトルネックになって激しい渋滞が課題となっているほか、対面通行のために正面衝突事故も多数発生しています(当区間の全事故の3分の1)。
さて、気になる進捗ですが、まだ「設計段階」が続いていて、着工もしていません。
実は2021年度に手戻りが発生していて、詳細設計を進めていく段階で「曲線半径が、改定後の道路構造令を満たさない」ことが分かりました。そこで、設計をやり直すことになったのです。
それも含めて、現在はまだ詳細設計、さらにそのための測量や地質調査が行われているところです。あわせて、その設計の進捗とともに、現地での用地測量も行われています。用地取得率は99%のところで横ばいになっています。
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いっぽう、神奈川県側では、裾野バイパスの延長線上として「山北バイパス」が4車線となっています。
と言っても、4車線なのは最初の約600mだけで、あとは全て暫定2車線バイパスのままです。2012年までに5.6kmが全通し、旧道に比べて高架橋や立体交差などでスムーズに走行できるようになりました。
では、暫定2車線バイパスを4車線にする話は動いているのでしょうか。残念ながら、今のところ何もありません。神奈川県議会で議論された形跡すら無いので、「特段の課題」とは認識されていないように思われます。
国道246号で特に混雑するのが、この山北エリア、そして伊勢原周辺です。伊勢原周辺については「厚木秦野道路」が事業の真っ最中で、圏央道~新東名~東名を有機的につなぎ、国道246号とのあいだで混雑流をうまくバイパスしあう存在となることが期待されています。