ダイハツは “モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」”を進めるため、TGRラリーチャレンジなど様々なレースに参戦しています。そんなダイハツのレース参戦車両「ミライース ターボ」を体験する機会を得たのでレポートします。
■ミライースにターボ+MTは搭載?
ダイハツはモビリティビジネスのグローバル商社であるSPKともに“モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」”を進めるため、TGRラリーチャレンジやK4GPなど様々なレースに参戦しています。
そんなダイハツのレース参戦車両の一つ「ミライース ターボ」を体験する機会を得たのでレポートします。
ダイハツ「ミライース」は、2011年に誕生した軽5ドアハッチバック(軽セダンとも言う)。コンセプトは、誰もが気軽に乗れる「第3のエコカー」です。
現在ダイハツ車の中で最も安価なボトムレンジを担うエントリーモデルとなっています。
現行モデルは、2017年に誕生した2代目(ミラとしては通算9代目)。ボディサイズは、全長3,395 mm×全幅1,475 mm×全高1,500 mm-1,510 mm。ホイールベースは2,455mmです。
エクステリアは、エントリーモデルとは思えない迫力あるデザイン。インテリアは利便性が追求された扱いやすい設計になっています。
パワートレインは、最高出力49馬力、最大トルク57Nmを発揮する660ccの水冷直列3気筒エンジンを搭載。組み合わされるトランスミッションはCVTです。
そんな現行型ミライースをベースに、レース参戦用の車両としてダイハツが改造を施したのが、ミライースターボです。
ダイハツの軽乗用車でもっとも軽量かつ「ベーシック」なイースを鍛えることで、ダイハツ全車種に「モータースポーツを起点とするもっといいクルマづくり」の知見を活かすために、誕生・レース参戦しているクルマです。
最大の特徴は、通常仕様には存在しない「ターボエンジン」と「5速MT」を搭載した点。このエンジンとMTは、ダイハツの軽オープンカー「コペン」のものを流用しているといいます。
また、コペンのラリージャパン参戦車両で採用される6Potのブレーキを流用しているほか、同ラリーカーのアンダーカバーや、コペンGR SPORTのFrブレースも採用し剛性や空力も高めています。
更に、ブレーキダクトや、フェンダーダクト、タワーバーなどの追加を行ったほか、インパネの映り込みを防止する新塗装を採用するなど、様々な工夫が凝らされています。
このミライースターボは、レース参戦毎に様々な課題を発見し、改善を行っており、全日本ラリー第4戦 YUHO RALLY TANGOの際には、フロントバンパー右上部に穴を開け、冷却性能を強化、4.4秒もタイムを更新(大内SS)したといいます。
そんな同車に、スパ西浦モーターパークで試乗する機会を得ました。
実際に乗り込んでみると、CVTのシフトレバーはなくなり、フロアに5速MTが移設されているほか、シートはバケットシートに換装され、後席のなく、ロールケージが組まれるなど、通常のミライースとは一線を画す仕様となっていて、運転席に座るだけで気が引き締まります。
走り出すと、ターボとなって増大した出力を多大に感じるほか、速く走るために加えられた様々な変更が、ダイハツの最安価モデルベースながら、サーキットでも十分戦っていけるパフォーマンスを発揮します。
大排気量車とくらべて速いのかと言われると困るところもありますが、使い切れる”素”の楽しさは、何事にも代えがたいミライースターボの特徴と言えるでしょう。
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ミライースターボは、ターボエンジン+MTを搭載する特殊な車両ですが、楽しい乗り味を感じてしまうと市販化に期待せざるを得ません。
実際SNSなどでも、ミライースターボを知るユーザーからは、「欲しい」「市販化されたら買う」など、熱望の声が上がっています。
この点について、担当者は「皆様の声があれば、市販化できる可能性もあります。ぜひ皆様の声を聞かせて欲しい」とコメントしています。同車の市販化に向け熱い気持ちがある方は、ぜひ声を上げてみてください。その気持が、実現に向けた一助となるかもしれません。