スバルは2023年11月に6代目「フォレスター」を世界初公開し、2024年春より北米市場を発売を開始しています。それから1年が経過しましたが、日本仕様はいつ登場するのでしょうか。
■米国では1年前に発表された新型「フォレスター」
スバルはいまから1年ほど前の2023年11月、米国「ロサンゼルスオートショー2023」で6代目「フォレスター」を世界初公開しました。2024年春より北米市場で発売が開始されています。
国内への早期導入が期待されていますが、日本仕様はどのようなクルマとなるのでしょうか。
フォレスターは1997年2月、市場が拡大しつつあったSUVカテゴリーに向けて誕生しました。
当初は、「レガシィ」のようなステーションワゴンのイメージを残しつつ、スバル独自の水平対向エンジンやAWD(四輪駆動)、そして比較的低い全高によるスポーティな走行性能が特徴でした。
2007年12月登場の3代目からはボディサイズを拡大しSUVに求められる実用性も大幅に向上したことから、さらに支持を集めます。
2012年登場の4代目からは、スバル独自のステレオカメラを用いた運転支援機能「アイサイト」を搭載。
エンジンやリニアトロニックトランスミッション(CVT)、駆動系などを統括制御する「X-MODE」などにより、悪路走破性も向上しました。
2018年3月の米国・ニューヨーク国際オートショーでデビューした5代目は、4代目の魅力をさらにブラッシュアップ。
最新「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」を採用し、車体剛性の最適化を図ることで走行安定性を高めると共に、衝突安全性も向上させています。
パワートレインは当初、2.5リッター水平対向4気筒ガソリンエンジンと、2リッター水平対向エンジンに小型モーターでアシストするマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER(イーボクサー)」を設定。
ともにスバル独自のシンメトリカルAWD(四輪駆動)と組み合わされ、悪路走破に貢献するX-MODEも引き続き搭載されました。
さらに国内仕様では、のちに1.8リッター水平対向直噴ターボエンジン搭載の「SPORT」も追加しています。
こうしてフォレスターは、米国だけでも5世代累計で260万台以上を販売したヒット作となるなど、名実ともにスバルの最量販モデルへと成長を遂げました。
日本においてはこの5代目フォレスターが今も現行モデルですが、前述の通り北米では、すでに6代目にフルモデルチェンジ済みです。
■日本仕様は「クロストレック」に新搭載の「ストロングハイブリッド」仕様で登場か
6代目フォレスターのボディサイズは、全長4656mm×全幅1829mm×全高1730mm、ホイールベース2670mm(米国仕様)。
5代目に対し全長で約16mm、全幅で約14mmの拡大ですが、スタイリングを見る限りはさらに大きくなった印象です。
発表時にスバルは「頑丈かつ堂々とした存在感を感じさせるデザイン」と説明しており、外観から受けた印象はメーカーの狙い通りだったことがわかります。
大きく堂々としたスタイリングのおかげで、室内や荷室空間も拡大しているといい、SUVに求められる機能性もさらに向上しているようです。
SUV らしい頑丈さと安心感を表現した室内は、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイをインテリアの中央に配置したレイアウトデザインとし、実用性や利便性にも配慮したものに進化しました。
プラットフォームは、SGPをベースにフルインナーフレーム構造を採用し、構造用接着剤の適用拡大やサスペンション取り付け部の剛性を向上させています。
加えて、アクティブトルクスプリットAWDの制御を刷新し駆動力配分の最適化を図ったり、2ピニオン電動パワーステアリングを採用したことで、安心感のある走りと操舵の気持ちよさを両立させたといいます。
アイサイトも、ステレオカメラと単眼広角カメラを用いた“3眼”化され、プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションを拡大する性能向上を果たしました。
北米モデルのパワートレインは、振動や騒音を低減し動的質感を高めた2.5リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。
なお2023年11月の発表で、1年後にハイブリッドモデルも追加すると予告していました。
そのハイブリッドは、5代目に設定されるマイルドハイブリッドではなく、ライバル各社で進む電動化ラインナップ展開に対抗できるような新規開発のストロングハイブリッドシステムです。
2024年11月には、国内向けのコンパクトクロスオーバーSUV「クロストレック」に、ストロングハイブリッドシステムを初搭載すると発表しました。
エンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式を採用し、リチウムイオン大容量高電圧バッテリーとともに、シンメトリカルAWD、新開発のハイブリッド専用2.5リッター水平対向4気筒エンジン、トランスアクスルと組み合わせたものです。
大容量燃料タンクの採用とあわせ、大幅に航続可能距離を伸ばしたといいます。
また後輪はモーターではなく前後をプロペラシャフトでつなげる機械式AWDとしたのも、走行安定性や走破性を意識したスバルらしいところでしょう。
スバルはこのストロングハイブリッド技術を発表した際、6代目フォレスターを2025年度(2025年4月以降)に国内でも発表すると明らかにしています。
新型の日本早期導入を大いに期待したいところです。