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トヨタの「カローラ“FX”」20年ぶり復活! 「専用エアロ」×走りの“スポーツサス”採用! レトロ&スポーティな「旧型オマージュ仕様」が米で登場 どんなモデル?

くるまのニュース 2024年12月25日 11時45分

かつて一世を風靡したトヨタ「カローラFX」の名称が、米国で復活を遂げました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

■カローラ「FX」ってどんなクルマ?

 現在、「カローラ」のハッチバックといえば「カローラスポーツ」ですが、かつては「カローラFX」がその代名詞でした。
 
 そして2024年9月、アメリカで約20年ぶりにその名前が復活したのです。カローラFXや新しいカローラFXは、どのようなクルマなのでしょうか。

アメリカで「カローラFX」復活! (カローラ FXスペシャルエディション 2025年モデル・北米仕様車)

 トヨタを代表するビッグネーム、「カローラ」。初代が1966年に誕生して以来、現行型は12代目を数えます。

 その間、「レビン」「セレス」「スパシオ」「ランクス」「ルミオン」など、カローラの名を冠した派生車種も大量に生み出されました。

 そのひとつに「FX」があります。カローラFXは、1983年に登場した5代目カローラ(80系)の3ドア・5ドアハッチバック版として翌年の1984年にリリースされました。

 基本的には4ドアセダンの後部をカットしてハッチバック化したモデルでしたが、斜めにスパッと切り落としたような、スタイリッシュなリアデザインを特徴としています。

 当時の国内向けカローラシリーズはセダンと、セダンにハッチを備えた「リフトバック」、スポーティモデル「レビン」の陣容でした。

 5代目カローラは前輪駆動(FF)化を果たしましたが、レビンは後輪駆動(FR)を堅持。今なお高い人気を誇る“ハチロク”ことAE86型は、この世代にあたります。

 一方、欧州市場などではフォルクスワーゲン「ゴルフ」のような2BOX型のハッチバック需要が強いため、同エリア向けにハッチバックを用意。それを日本ではFXと名付けて販売しました。ドイツなどでは「コンパクト」と称していたようです。

 当時の日本では、1980年にデビューして大ヒットを飛ばしたマツダの4代目「ファミリア」以降、各メーカーはこのクラスにハッチバックを相次いで投入。

 日産でも、5代目「サニー」を1983年にマイナーチェンジした際、「クーペ」をハッチバックに置き換えるという、現在では考えられない(国内市場ではクーペは2年のみの販売)大規模なラインナップ変更を敢行してまで、ハッチバックを用意したほどです。

 ハッチバックといえば若者向けというイメージで販売されていたこともあり、各社ともにスポーティグレードをラインナップしていました。

 そのためカローラFXにも、5代目カローラシリーズのフラッグシップユニットで、AE86型にも積まれた「4A-GE」型4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載する「GT」を設定、スポーツハッチバックとして名を馳せます。

 カローラFXはカローラの販売台数が多い北米市場にも用意され、中でも4A-GE型エンジンを積んだモデルは「FX16」とネーミングされて人気を博しました。

 その後カローラは1987年に6代目(90系)へと進化し、FXも同時にフルモデルチェンジを行い、2代目に発展しました。レビンに搭載のスーパーチャージャー付きエンジン「4A-GZE」型は載りませんでしたが、GTが持つ走りのイメージは残されました。

 1991年にはカローラが7代目にモデルチェンジされ、約1年後にFXも新型に切り替わって3代目が登場します。

 この代から5ドアが消滅して3ドアハッチバックのみとなり、グレードもGTと「SJ」の2つに集約されました。

 GTはさらにスポーツハッチバックとしての性格が強められ、エンジンはレビンと同様に5バルブ化されて160psにパワーアップ。操縦性を高めた「GTスーパーストラットサスペンション」装着車も設定されました。

 しかし3代目の販売は苦戦。1995年の8代目カローラ登場とともに、3世代・約11年の歴史を閉じたのです。

■「FX」の名が、アメリカで復活!

 そして2024年9月、アメリカでカローラの2025年モデル発表とともに「FX」の名称が復活。国内外で話題を呼んでいます。

 ただし「ハッチバックとしてのFX復活」や、FX16のように特別なエンジンを搭載しているわけではなく、あくまでも4ドアセダンのカローラの新グレード「カローラFXスペシャルエディション」という位置付けです。

元祖「カローラFX」

 しかし、スポーティなイメージで北米市場のユーザーの記憶に残るFX16を想起させるように、外装はFX専用のリアスポイラーや18インチアルミホイール、各部をブラックアウトすることで精悍なイメージを強化。

 内装もオレンジのステッチが入ったスポーツファブリックシートや、10.5インチのマルチメディアスクリーンを採用しています。

 サスペンションにも手が入っており、ローダウンスプリングを備えて迫力あるスタンスを獲得。

 電動パワーステアリングもチューニングが施され、カローラが元来持つ俊敏性や運転の楽しさをさらにアップしています。

※ ※ ※

 前述のように、カローラFXは1995年で販売を終えてしまいましたが、カローラシリーズのハッチバックモデルはその後も存続。

 海外向けには8代目カローラに残されたほか、9代目からは国内向けにも「カローラランクス」として復活を遂げました。

 カローラランクスは2006年に「オーリス」へバトンを渡しましたが、オーリスは事実上はカローラのハッチバックでした。そして現在では2018年登場の「カローラスポーツ」が、カローラのハッチバックとして販売されています。

 たしかに新しいFXは、かつてのような派生車種ではありませんが、やはり名前の復活はワクワクするもの。

 今後も、かつての名モデルをオマージュした車名が蘇ることを期待したいです。

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