NEXCO東日本が、工事で採れた石を配るといいます。一体どういうことなのでしょうか。
■「謎の無償石配布イベント」開催 どんな石?
NEXCO東日本の公式Xは2024年12月23日、工事で採れた「石」を先着100名に配ると明らかにしました。
一体どういうことなのでしょうか。
今回のNEXCOの投稿には配られる予定の石の写真が添付されていますが、ぱっと見はグレーの“単なる石”のように見えます。
しかし、この石には「不落石」という名前がつけられており、そこら辺に転がっている石とは大きく違う、タダモノじゃないエピソードがあるのです。
石の“原産地”は、上信越自動車道の松井田妙義IC~碓氷軽井沢IC間、「北野牧トンネル」(群馬県松井田町)近くの斜面です。
ここには、高さ70m・体積9万5000平方メートルという凄まじいスケールの岩塊が存在します。
上信越道開通後も、長い間動くことなく放置されていましたが、1996年に北海道のトンネルで大規模な岩盤崩落が発生し、20人が犠牲になる大事故が起きました。
この岩塊も、万が一少しでも滑り落ちてきたら上信越道に甚大な被害を与えることから、最終的に撤去が決定。2017年に着工しました。
ものすごいサイズの岩塊除去ということもあって、工事も2029年完成予定という、世紀の大プロジェクトになります。
準備にも6年を費やし、岩を崩したときに小石が飛んでこないようにする道路のシェードや大規模な足場が組み立てられ、足場パイプによる圧巻の“要塞”が出現し、大きな話題になりました。
その後、NEXCO東日本の公式YouTubeチャンネル「E-NEXCO driveplaza」では2024年8月に工事の様子を動画で公開。SNSなどで大きな反響が寄せられています。
さらに、6月と11月には現場での見学会を実施するなど、高速道路の利用者や地元の人以外からの関心も寄せられています。
配布される石はそんな大工事の現場で発生したもの。「不落石」という名前の通り、「落ちない石」ということで、受験生のお守りに最適だということです。
また、石の性質が火成岩のひとつである「安山岩(あんざんがん)」であることから、「安産」とかけて、出産予定の人へのお守りや、工事が上手く進んでいることの“象徴”として、旅行する人の「安全」のお守りにも向いているといいます。
不落石は2024年12月24日から、横川SA上下線のインフォメーションコーナーで、先着100個が配布されます。