国土交通省 飯田国道事務所は2024年12月24日、静岡・長野県境の山岳地帯をつらぬく「青崩峠トンネル」について、本坑が完成を迎えたと発表しました。
■「土木が敗北した場所」にトンネルが完成
国土交通省 飯田国道事務所は2024年12月24日、静岡・長野県境の山岳地帯をつらぬく「青崩峠トンネル」について、約5年半の工事を経て「本坑」が完成したと発表しました。
これをうけて、年明けの2025年3月2日に「完成式」がおこなわれるとしています。
青崩峠トンネルは、静岡県浜松市から北上して長野県飯田市へつなぐ高規格道路「三遠南信道」にあります。
静岡県北部に広がる急峻な南アルプスの山岳地帯に、悲願の「まともな道路」となるルートで、完成すれば長野直結の最短ルートとなります。今までは中央道経由の大回りルートしかありませんでした。
その三遠南信道は、新東名「浜松いなさ北IC」から徐々に延伸開通していますが、静岡・長野県境に立ちはだかるのが「青崩峠」です。
青崩峠は1990年代にも付近をトンネルで通すバイパス計画がありました。しかし南側に「草木トンネル」が完成したものの、そこから先は厳しい地盤条件に阻まれて、けっきょく未完のままで終わっていました。
その後、4998mという長大トンネルの計画が新たに事業化。2019年にトンネル工事が着工し、2023年5月に貫通。「土木の勝利」と話題になりました。
それから内部コンクリート(覆工)の工事が続けられ、着工から約5年半の月日を経て、ついにトンネル本坑が完成を迎えました。
あとは同時進行の床面コンクリート(インバート)をはじめ、非常用トンネル、照明・電気設備、非常設備、舗装や標識の工事が進められ、開通を迎えることとなります。なお、開通めどについてはまだ発表されていません。
ちなみに、飯田市側では、長野県飯田市の中央道「飯田山本IC」から分岐して伊那山地を抜ける「飯喬道路」の東側工区が進行中。
飯喬道路が完成し、青崩峠トンネルが完成すれば、いよいよ浜松~飯田の「通行困難区間」はほとんど解消され、スムーズに走破できるようになります。