トヨタ「プリウス」のワゴン版である「プリウスα(アルファ)」は人気のモデルでしたが、2021年に販売を終えてから後継車はいまだに現れていません。復活はあるのでしょうか。
■実用的な「プリウス“ワゴン”」として支持された「プリウスα」
2011年に登場したトヨタ「プリウスα(アルファ)」は、ワゴンボディの広い室内空間が支持され、一定の支持を集めていました。ところが2021年に販売を終えてから、いまだに後継車は登場していません。
そんななか、CGデザイナーが描いた次期プリウスαを思わせる予想レンダリング(イメージCG)が公開され、SNSなどで話題を呼んでいます。
1980年代の終わりから2000年代初頭まで隆盛を極めた“ステーションワゴン”ですが、2024年現在は「カローラツーリング」やスバル「レヴォーグ/レイバック」などのほかには、ほとんど見かけなくなっています。
今ではステーションワゴンに代わり、ミニバンやSUV、軽スーパーハイトワゴンなどが支持されるようになりました。
そんな時代の流れのなかでも、孤軍奮闘していたのがプリウスαです。
2011年5月に登場したプリウスαは、3代目「プリウス」をベースに、5人乗りに加え、3列・7人乗りというレイアウトを持つワゴンタイプのモデルでした。
約10年に及ぶモデルライフのなかで、商品改良や特別仕様車の追加などが実施され、特に2014年11月のマイナーチェンジではデザイン変更がされるなど、もっとも大きな改良が実施されています。
最終モデルのボディサイズは、全長4645mm×全幅1775mm×全高1575mm、ホイールベースは2780mmで車両重量は1480kg(すべて最大値)。
パワートレインはハイブリッドのみで、最高出力99ps・最大トルク142Nmの1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンと、最高60kW・最大207Nmのモーターを組み合わせていました。
カタログ燃費26.2km/L(JC08モード)をマークするエコなワゴンとして、支持を集めたのです。
■生まれ変わった「プリウス」シリーズ第二の展開に期待!
いっぽうベース車のプリウスは2023年1月にフルモデルチェンジし、5代目となっています。
これまで培ってきたエコカーのキャラクターをベースに、「ひと目ぼれするデザイン」と「とりこにする走り」という新たな魅力を加えたことで、全面的なイメージ刷新を図ったのが大きな特徴です。
そんな5代目プリウスのデザインをもとに、あらためて“新型”プリウスαのイメージを描いたのは、CGアーティストのTheo throttle氏です。
現行型のプリウスに、新型「クラウンエステート」の後部を移植しつつボディの後方を伸ばし、細部をプリウスに合わせて加工しまとめています。
プリウスと融合したデザインのもととなった新型クラウンエステートは、16代目クラウンシリーズ4番目のモデルです。
ここ最近の歴代クラウンは、高級な4ドアセダンというイメージを継承しながら正常進化を続けてきましたが、16代目のフルモデルチェンジを機に、そうした流れを変えました。
セダンに加え、「クロスオーバー」「スポーツ」「エステート」の4つのラインナップ展開を図ったのです。
2024年には、クラウンシリーズだけの専売店「THE CROWN」まで設立され、もはや独立したひとつのブランドとなっています。
クラウンと並ぶトヨタの人気ブランドであるプリウスでも、こうした多機種展開を図るのは十分に可能でしょう。
公開された予想レンダリングは、あくまでもCGアーティストによる想像の産物ですが、新型プリウスα復活の可能性を完全に否定することはできないかもしれません。