トヨタ「ルーミー」が一部改良を受けて2024年12月9日に発売されました。一時はフルモデルチェンジや廃止の噂も立っていたルーミーですが、改良モデルが発売されたことに対してSNSではどのような反響があったのでしょうか。
■5人乗り小型トールワゴン「ルーミー」が一部改良! その内容は?
「ルーミー」は、ダイハツが開発・製造を行う「トール」のOEM供給モデルとして、トヨタが販売する5人乗りのコンパクトトールワゴンです。
すでに発売から8年が経とうとしていますが、今回、一部改良と価格改定が行われました。
改良モデルのルーミーでは、どのようなところが変更されたのでしょうか。
ルーミーは軽自動車よりわずかに大きいサイズのボディに、乗降性に優れる電動スライドドアや240mmの大スライド可能なリアシート、フロントシートウォークスルー機能などが備わり、子育てファミリーなどが使いやすいように配慮されています。
内外装のデザインが異なる通常モデルとカスタムモデルがラインナップされることに加え、エンジンは1リッター自然吸気エンジンと1リッターターボエンジンの2種類を用意。
小排気量で自動車税も安く抑えられるほか、軽自動車並の安価な車両価格もルーミーの特徴となります。
ルーミーは軽自動車では手狭に感じるユーザーや、ミニバンでは大きすぎると感じるユーザーの受け皿になるクルマといえるでしょう。
今回の一部改良では、法規対応と原材料費高騰などを理由に価格改定が行われました。
具体的には、後面追突時の乗員保護の新規要件適用にともない、後面衝突時に燃料タンクへの干渉を避けるために、これまでオプション設定されていたスペアタイヤを廃止。
また、後退時車両直後確認装置の義務化に対応することから、オプションだった9インチディスプレイオーディオおよびバックカメラが全車標準装備となりました。
そのほか福祉車両に細かな仕様変更があった以外、内外装や装備などは変わらず、今回のルーミーの改良はごく微細な変更にとどまります。
ユーザーへの影響がもっとも大きな変更としては、約17万円の値上げと、これまでオプションだった9インチディスプレイオーディオが全車標準装備となった点でしょう。
大型ディスプレイは操作性がよく見やすいため嬉しい改善といえますが、その一方でディスプレイオーディオの標準装備化とともに、ディーラーオプションナビも廃止されています。
そのため、改良モデルのルーミーのディスプレイオーディオでカーナビゲーションシステムを使うには「CarPlay」もしくは「Android Auto」を利用することになり、スマートフォンの所持が必須となりました。
■改良されたルーミーに対するSNSの声は?
2023年末に発覚したダイハツの型式指定申請における不正行為の影響で、ルーミーに関しては他のダイハツ製造のクルマを含めて、さまざまな意見や噂がSNS上であがっていました。
ルーミーの出荷が停止された際には「2024年内のフルモデルチェンジが順当だけど、スケジュールに影響が出るかも」と先行きが不安視される声や、ダイハツの今後の方針として軽自動車に専念すると報じられたことから「ルーミーもこのモデル限りかな」と悲観する声も。
その後、2024年4月に販売が再開されましたが、10月には再び販売停止。とうとう廃止かフルモデルチェンジかと注目が集まりましたが、実際に登場した改良モデルの内容は法規制対応のための最低限の変更でした。
なかでも10月の販売停止から改良モデルの発売までは多くの噂や憶測が飛び交っており、突然の販売停止に「現行ルーミー買おうと思ってたのに! 現愛車も限界寸前。どうしよう」と困惑した人もいたようです。
一方で、ディーラーなどで事前に情報を得ていた人は、購入に備えて「ルーミー試乗してきました」と改良モデル発売直前の11月下旬ころに報告する人も。
発売直後は「新型ルーミー注文してきた!」と早速発注報告をする人もいましたが、発売前の盛り上がりに比べると、改良モデル発売後のSNS上での反響は少ない印象でした。
月によってはトヨタ「シエンタ」と販売台数が競合する人気車種ではありますが、ルーミーは利便性を追求した実用車でありSNS映えしづらい地味な存在です。同時に、生活の足として根強い人気のクルマであることも伺えます。
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車両本体価格約157万円だったルーミーのスタートプライスは、今回の価格改定により174万2400円(消費税込)へと値上がりしています。
しかし9インチディスプレイが全車標準となったことで、これまでも人気だった廉価グレードの優位性がさらに上がったといえるでしょう。