エンジンを搭載するクルマは、燃料を給油する必要があります。そこで気になるのは、給油口から入れた燃料がどうやってエンジンにたどり着くのかということです。給油口の奥はどのような構造になっているのでしょうか。
■給油口の奥の構造ってどうなってる？
内燃機関（エンジン）を搭載しているクルマであれば、「給油」という行為が必要です。近年はセルフ式のガソリンスタンドが増えていることから、自分でクルマに燃料を給油するという人も多いでしょう。
しかし、給油口から先の構造について、詳しく理解している人は少ないかもしれません。一体どのような仕組みになっているのでしょうか。
まず、多くの人が目にする給油口の蓋を開けると目に入るキャップは、「フューエルキャップ」と呼ばれるもので、そのキャップを開けて給油ノズルを差し込む部分を「フィラーパイプ」と呼びます。
フィラーパイプは「フューエルタンク（燃料タンク）」に繋がっているのですが、給油口から近い位置にフューエルタンクがある車種もいれば、「N-BOX」や「フィット」など、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」を採用した車種のようにフロントシート下にフューエルタンクがある車種では、長いフィラーパイプによって燃料を送り込む形になっています。
また、エンジンがリアにあるポルシェなどの一部車種では車両前方にフューエルタンクが搭載されており、給油口もフロントフェンダーなどに設けられているといった違いがあるのです。
ちなみにフューエルタンクの中には燃料の動きを制御し、「チャポチャポ」という音を小さくするセパレーターというプレートや、燃料の残量が少ないときにカーブでの遠心力によって燃料が偏り、燃料が送れなくなることを防ぐサブタンクといったものも内蔵されており、タンクの形状もボディのデコボコに合うように設計されているため、実は複雑な形状をしているという点も特徴といえるでしょう。
そしてフューエルタンクに給油された燃料はエンジンに送り込まれるワケですが、そのときに燃料が通るのが「フューエルライン」というもので、タンクからは「ポンプユニット」を介して圧送されます。
このポンプユニットは通常、タンク内で燃料に浸かった状態になっているのですが、燃料が少ない状態で長期間放置されたりすると、サビが発生して正常に動かなくなるといったトラブルが発生する場合もあるので、長期間乗らないときは燃料を多めに入れておくのがいいでしょう。
また近年のモデルではフューエルタンクは樹脂製なのですが、古いモデルは金属製となっていて、タンク自体にサビが発生する可能性があり、その場合も燃料は多めに入れておきたいところ。
ただ燃料も長期間放置すると劣化や腐食などが発生し、材質が変化してドロドロ・ネバネバした物質になることがあるので、できれば長期間放置するということ自体を避けた方がいいでしょう。