トヨタのタイ法人は、世界に先駆け2024年2月にコンパクトSUV「カローラクロス」をマイナーチェンジしました。フロントデザインを大幅に変更するなど、日本向けモデルではまだおこなわれていない改良が実施されています。
■タイの「カローラクロス」は「高級車」!?
2024年2月、世界に先駆けタイでマイナーチェンジが行われたトヨタのコンパクトSUV「カローラクロス」。日本では実施されていないフロント周りの大幅なデザイン変更などがおこなわれており、国内でも早期の導入を望む声がSNSなどで見られます。
タイのマイナーチェンジ版と日本仕様では、一体どういった点が異なるのでしょうか。
カローラクロスは、1966年以来グローバルで展開されるトヨタの世界戦略車「カローラ」シリーズに、2020年に追加されたコンパクトSUVです。タイでグローバルデビューを果たし、日本導入は2021年9月でした。
4代目「プリウス」や他のカローラシリーズ同様に、最新のTNGA「GA-C」プラットフォームをベースに開発され、先進運転支援機能「トヨタセーフティセンス」を装備します。
タイにおいてカローラクロスは、2020年に発売されてから早々に大ヒット。日本仕様にはない「GRスポーツ」仕様も投入するなど、トヨタの東南アジアにおける力の入れようは、日本とはレベルが違うようです。
今回のマイナーチェンジも、そうした現地での旺盛な需要を受けたもので、特に質感の向上が大きなテーマとなっています。
外観は、まるでレクサスの“スピンドルボディ”を思わせるハニカムメッシュ模様のフロントグリルとフロントバンパーによる斬新なスタイルに刷新されました。
LEDプロジェクターヘッドライトやシーケンシャルLEDフロントウインカー、2トーンカラーの新アルミホイールも採用され、高級感が高められています。
内装はブラックと新色ダークローズの2色を設定し、ラグジュアリーかつスポーティな雰囲気をさらに向上させました。
対する日本仕様は、2021年のデビュー当初より独自のフロントマスクデザインとなっています。
フロント先端にはトヨタエンブレムではなく「カローラ」の“C”をモチーフとした独自のエンブレムも備わります。
内装はブラックとブルーの2色がグレードによって設定されていますが、基本的にはプレーンでシンプルな仕立てが特徴です。
なおタイにおけるカローラクロスの販売価格は、99万バーツ(約440万円)から。
日本の販売価格が218万4000円(消費税込み)からと考えると、それなりに高価なモデルであることがわかります。
■日本仕様の刷新は早くとも2025年春ごろか!?
さて、日本ではいつこの“マイナーチェンジ版”カローラクロスが導入されるのでしょうか。
そもそも現行型のカローラクロスが日本で最初に発売されたのは、前述の通りタイに遅れること約1年後の2021年9月でした。
その法則をそのまま新型に当てはめてみると、日本仕様のカローラクロスのマイナーチェンジも1年遅れの2025年の春頃には実施されるのではと予想されます。
ただし日本仕様のカローラクロスは、直近で2023年10月に規模の大きな一部改良を実施しています。
ガソリンモデルの排気量は、それまでの1.8リッターから2リッターに拡大したほか、ハイブリッドモデルは電動モジュール全てを刷新する変更が図られるなど、全てのパワートレインの変更を伴うものでした。
外観こそ変わっていませんがマイナーチェンジ級の刷新といえ、日本ではしばらく大きな変更がおこなわれない可能性もあります。
いっぽうで、時間差で外観中心のマイナーチェンジが実施される可能性も否定できないでしょう。
今のところ日本のトヨタから公式な発表はなく、引き続き今後の動向から目が離せません。