高級車ブランドとして知られるレクサスですが、非常に小さいコンパクトカーを提案公開したこともありました。この「LF-SA」とは一体どのようなクルマだったのでしょうか。
■ほぼ「軽自動車サイズ」のレクサスとは!
2025年1月10日から12日までの3日間、幕張メッセ(千葉県千葉市)では世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン2025」が開催。
このようなイベントでは、自動車メーカーやチューニングショップ各社がユニークなカスタムカーやコンセプトカーを発表するため、多くのクルマ好きが注目しています。
しかしその一方で、発売を求める声が多く寄せられたものの、残念ながら市販化されなかったコンセプトカーも少なくありません。
レクサスが提案した「LF-SA」も、現実味のあるコンセプトでありながら、発売されなかったモデルのひとつです。
LF-SAは、2015年にスイスで開催された「ジュネーブモーターショー」で初めて公開された、レクサスが提案するウルトラコンパクトクラスのコンセプトカーです。
このクルマはレイアウトに「2+2シーター」を採用した4人乗りモデルとなっており、小さな車体にレクサスならではの「究極のラグジュアリー」を実現することを目指して開発されました。
ボディサイズは、全長3450mm×全幅1700mm×全高1430mmと、軽自動車とさほど変わらない短い全長で、歴代のレクサスの乗用車ラインナップにおいて最も小さいモデルと言えます。
エクステリアは、えぐるように深く彫られた造形が特徴で、角度によって異なる表情を見せる立体的なスピンドルグリルが、ボディ全体の存在感を引き立てます。
リヤホイールアーチ上の大胆な削り出しも同車のダイナミックさを際立たせる要素で、これによって小さな車体でありながら、SUVらしい力強いデザインへと仕上がっています。
室内はコンパクトながらも広さを感じさせるデザインで、大きく弧を描くダッシュボードを採用した未来的な印象です。
また助手席は、後席への乗降性を高めるためにスライド可能で、実用性も配慮されていました。
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市販化されればヒット間違いなしと思われたLF-SAでしたが、コンセプトモデルの公開から約10年が経過した現在でも、発売に向けた動きは見られていません。
一方で、2023年12月にはレクサスの新たなエントリーモデルである「LBX」が導入されました。
このLBXのように、近年は高級志向のコンパクトカーや軽自動車がヒットしていることからも、レクサスが手掛ける超小型車としてLF-SAの市販化が実現していたならば、同車が街を走り回る姿を見ることが出来たかもしれません。