高速道路のトンネル照明は、オレンジや白だけでなく、「一か所だけ青く、輪っかのように照らしてくる照明」があったりします。一体この「青いリングライト」の正体は何なのでしょうか。
■謎の「青いリング」の意味は
高速道路などのトンネルだと、照明はオレンジだったり白いものが一般的です。
しかし、なかには「一か所だけ青く、輪っかのように照らしてくる照明」があったりします。
一体この「青いリングライト」の正体は何なのでしょうか。
こうしたトンネルは複数の場所で見られますが、たとえば静岡県と山梨県をつなぐ「中部横断道」にもあります。県境をつらぬく長さ4999mの「樽峠トンネル」です。
ネット上でも「異空間に連れていかれるかと思った」「幻想的」など、突然現れる見慣れない青いリングライトをくぐり抜けた体験談を目にすることができます。
これは「アクセント照明」と呼ばれるもの。一般的には長大トンネル(5000mを超えるトンネルの呼称)の途中に設置されることが多く、単調な車窓が続いて眠気や注意力散漫が発生してくるのを、防止するのが目的だといいます。
ほかにも東海北陸道の飛騨清見IC~白川郷ICにある「飛騨トンネル」(長さ1万712m)には、ブルーとピンクの「2色レインボー」のタイプが設置。2018年には、道東道むかわ穂別IC~占冠ICの連続トンネル区間に、青もしくは緑のアクセント照明が導入されています。
なかには、ただ漫然運転を防止するだけでなく、「500mごとに緑色、設備等の起終点に青色」というように、その意味ごとに色を分けている場合もあるようです。
ちなみに、トンネル照明を活用した安全対策は、ほかにも渋滞対策のための「ペースメーカーライト」が各地で導入されています。長いゆるやかな上り坂になっている場合、知らず知らずのうちにスピードが落ちて、後ろのクルマがどんどん詰まってきてしまい、渋滞の原因となります。
それを防ぐため、後ろから前へ光が流れていくようなライトビームが、トンネル側面に点灯させているのです。「スピードを落とすな!」というメッセージが込められています。