軽自動車のイメージが強いダイハツですが、2017年に「DNコンパーノ」と名付けられた4ドアクーペを披露していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■約50年前の名車をオマージュした1台
ダイハツは1907年の創業以来、特に軽自動車市場での存在感を際立たせ、「タント」や「ムーヴ」など数々の人気モデルを世に送り出してきました。
軽自動車メーカーとしての印象が強いダイハツですが、2017年には普通車サイズの4ドアクーペを発表していたのをご存じでしょうか。
2017年の東京モーターショーで、ダイハツは5台のコンセプトカーを出展。
コンパクトSUVの「DN TREC」や商用EVの「DN PRO CARGO」などを展示しましたが、なかでも多くの来場者の目を引きつけたのは、4ドアクーペの「DN COMPAGNO(以下、DNコンパーノ)」でした。
なぜ同車が話題になったのかというと、「コンパーノ」という名前が付けられていたからです。
この名前はダイハツが1963年に発売したモデルに用いられており、ダイハツが初めて普通乗用車市場へと参入した記念すべきモデルでした。
販売が終了する1970年までに2ドア・4ドアのセダンタイプやライトバンタイプ、コンバーチブルなど様々なバリエーションを展開。
また、1964年の東京オリンピックでは聖火と共に伴走したことでも有名です。
そんな歴史を持つコンパーノの名前が名付けられたDNコンパーノは、かつてのコンパーノの魅力でもある「コンパクトながらスタイリッシュなデザイン」を受け継いでいるのが特徴です。
例えば、フロントはやや吊り上がり気味の現代的なヘッドライトを備えていますが、大きめの縦格子グリルを採用することで、レトロかつモダンな雰囲気を演出。
また、サイドは水平基調となっていますが、フロントからリアにかけて緩やかに流れるルーフと組み合わせることで、より美しさが際立つデザインになっています。
特にこだわりを感じるのが、フロントグリルに取り付けられているダイハツのエンブレムです。
このエンブレムはかつてのコンパーノと同じデザインが採用されており、かつてのコンパーノの名残を感じるポイントの1つと言えるでしょう。
インテリアについても、クラシカルな丸型2連のアナログメーターを備える一方で、車両操作などを行う大型パネルディスプレイを中央に配置するなど、新旧をミックスさせたスタイルとなっています。
そして大人2人でもゆったりとくつろげるよう設計された室内空間には、スポーティかつ上質感あるシートを装備。
パワートレインには、同社の「ロッキー」や「トール」にも用いられている直列3気筒1リッターターボエンジンを搭載。
ほかにも1.2リッターのガソリンエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせて搭載する可能性も示唆されていました。
※ ※ ※
DNコンパーノは特にコンセプトカーとしても完成度が高い上に現実味のあるパッケージであったことから、“コンパーノの再来”として公開当時は市販化を望む声も多く挙がりました。
なお、現在のところ市販化はされていませんが、他メーカーではかつての名車をオマージュしたモデルを販売した事例もあります。
ダイハツが、今後どのようなクルマを展開していくのか注目です。