スズキは米国ラスベガスで開催の電子機器見本市「CES2025」で披露した「自動運転電動台車」とはどのようなものなのでしょうか。
■「ジムニー」ベースの画期的技術
スズキは2025年1月7日から4日間、米国ラスベガスで開催の電子機器見本市「CES 2025」に初めて出展しています。
出展物のひとつに「自動運転電動台車」がありますが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
今回、スズキでは創業以来大切にしてきたものづくりの理念「小・少・軽・短・美」を通じた、社会課題の解決に共感する仲間づくりを目的に出展。
ブースではこの理念を紹介する動画や、それを体現した技術や製品を披露しています。
そのひとつがApplied Electric Vehicles(Applied EV)との協業によって開発された自動運転電動台車です。
Applied EVは2015年に設立した自動運転向けの電動化やソフトウェアなどの技術に強みを持つオーストラリアのスタートアップ企業で、スズキは2022年から出資し、次世代モビリティ用ソフトウェア開発を目指していました。
2023年3月には、同社と自動運転電動台車の共同開発に合意したと発表し、試作車の姿も明らかになっています。
今回のCES2025では、この自動運転電動台車の実車が登場。
サイズは小型自動車程度の大きさで、Applied EVの自動運転車両プラットフォーム「Blanc Robot」を採用しました。
四輪駆動車「ジムニー」のラダーフレームをベースとしていることから、車体構造の製造もスズキが担当しており、生産コストの削減と大量生産も見込んでいます。
これを統合制御システム「Digital Backbone」で制御し、食料品や荷物などの配送から産業での使用まで、ラストワンマイル輸送における人員不足の解決に役立つといいます。
さらに、人為的ミスの多い単純作業や、ケガなどの事故のリスクがあったり不衛生な場所など、劣悪な環境下での作業といった用途でも動作できる堅牢性を持っており、商様々な用途への活用が期待されています。
※ ※ ※
このほか、軽トラック「スーパーキャリイ」や、電動車いすの技術を応用した業務用多目的ユニット「電動モビリティベースユニット」とそれを応用したLOMBYの自動配送ロボット「LM-A」やエバーブルーテクノロジーズの「除雪ドローンV3」を展示。
また、Glydwaysと共同開発した新都市交通システムも車両展示しています。