東京オートサロンでは、過去に既存の車種を違うボディタイプに変貌させたモデルも出展されており、一例として日本自動車大学校は東京オートサロン2023には、トヨタ3代目「アルファード」をトラックにカスタマイズしたモデルを披露していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■存在感ハンパない! “観音開き”の巨大アルファードとは?
2025年1月10日から12日に、幕張メッセ(千葉市美浜区)にて「東京オートサロン2025」が開催されます。
このイベントは日本最大級のチューニングカー・カスタムカーの祭典で、例年自動車メーカーやカスタムパーツメーカーが最新のカスタムカーや技術を披露する場として、クルマ好きを中心に人気を博しています。
そのなかには、既存の車種を違うボディタイプに変貌させたモデルも過去に出展されており、日本自動車大学校(以下NATS)は東京オートサロン2023において、トヨタ3代目「アルファード」をトラックにカスタマイズしたモデルを披露していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
NATSは、日本の自動車技術者を育成する学校で、自動車整備科、カスタマイズ科、モータースポーツ科、自動車研究科の4つの専門学科を提供し、それぞれの進路に合わせたカリキュラムを通じて、業界で活躍できる技術者を養成しています。
最新の施設と高度なカリキュラムが整った環境のなかで、学生たちは実践的なスキルを習得し、プロフェッショナルへと成長していきます。
さらに、実技重視の教育が行われており、特にカスタマイズ科は1997年の創設以来、学生たちが学んだ技術を活かして製作したカスタムカーを、毎年の東京オートサロンに出展。
これまでディズニー映画のカーズをイメージした日産「180X」や、ロールスロイス「ファントム」のようなクルマに仕上げたスズキ「ツイン」など、ユニークなクルマを数多く披露しています。
そんなNATSは東京オートサロン2023で「アルファードスーパーデューリー」を初公開。
同車はアルファードをベースに「もしアメリカのカスタムビルダーが日本のミニバンを改造したら」というテーマのもと、後輪を片側2輪ずつ、計4輪に改造した「デューリートラック」スタイルに仕上げられています。
デューリートラックは、特に北米で見られるピックアップトラックの一種で、荷物の積載性や力強い外観が特徴です。
この独特なスタイルを、国内で高い人気を誇るアルファードに組み合わせた点が、最大の特徴となっています。
フロントデザインはアルファードらしい印象を与えますが、サイドや後方から眺めると、完全にピックアップトラックへと変貌しているのが分かります。
この荷台部分には、トヨタ「ハイラックス」のパネルが使用されており、従来のスライドドアは大胆にも観音開きに変更。
さらに全長6.6m、全幅2.4mという堂々たるボディサイズは、北米市場のフルサイズピックアップトラックに匹敵するスケール感を実現しているのもポイントです。
そのボディサイズの大型化に伴って、車体を延長する際に重量や強度のバランスを保つ必要があり、公認取得を視野に入れた作業が求められたことにくわえて、観音開きのスライドドアに改造する工程では、ドアを閉じた際の収まりや耐久性を確保するのに苦労したといいます。
しかし完成した姿が初公開されると、その独創的なデザインに多くの来場者を圧倒。
さらに東京オートサロン2023内で開催された「東京国際カスタムカーコンテスト」のミニバン・ワゴン部門で優秀賞を受賞する功績を残しました。
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次回、2025年1月開催の東京オートサロン2025にもNATSはブース出展予定です。
そこでは、トヨタ初代86をベースにレクサス「エレクトリファイドスポーツ」がスーパーGTに参戦する世界線を想定した「NATS LFA-2 GTconcept」、スズキの本格軽SUV「ジムニー」をベースとした「NATS SAMURAI(サムライ)」や「NATS MINI RANGER(ミニレンジャー)」など、全8台の車両を展示するとしています。