スバルは新たな「Sシリーズ」として「S210」を「東京オートサロン2025」で世界初公開しました。2025年夏ごろ発売される予定です。
■「WRX S4」ベースのコンプリート「S210」登場!
スバルのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)は2025年1月10日、同日より開催された「東京オートサロン2025」において、STIコンプリートカー「S210」(プロトタイプ)を世界初公開しました。
2000年に「インプレッサ S201 STiバージョン」から始まった「Sシリーズ」は、「S206」までは「インプレッサ」や「レガシィ」をベースとし、(途中「R205」を挟む)、「S207」「S208」は「WRX STI」をベースとしたコンプリートカーシリーズです。
WRX STIベースの「S209」も存在しますが、同車は米国限定モデルのため日本では販売されず、今回、国内向けでは8年ぶりとなるSシリーズとしてS210が登場します。
S210は現行「WRX S4」をベースとし、STIが参戦するニュルブルクリンク24時間耐久レース(以下、ニュル24時間)で培った知見が盛り込まれました。
エクステリアは、ニュル24時間のマシンで証明された技術やノウハウを注入。フロントアンダースポイラーやドライカーボンリアスポイラーといったSTIエアロパーツが装着されたほか、STIスポーツサイドガーニッシュやSTIフレキシブルパフォーマンスホイールも装着します。
なかでもSTIスポーツサイドガーニッシュは、ノーマルから20mmプラスすることで、よりアグレッシブでワイルドに見せる効果に加え、タイヤハウス内の空気を外に流し、圧力を抜くことでリフト荷重を低減させる機能部品。実際のニュル24時間レースのマシンにも採用されたものが市販車に採用されました。
インテリアもニュル24時間レースのマシンの知見を再現し、ブラック基調で運転に集中できる空間とするとともに、レッドカラーのプリテンショナー&フォースリミッター付フロント3点式ELRシートベルトや各所インテリアパーツのステッチを加える事で、走りへの期待感と所有する喜びをもたらします。
また、新開発のRECAROカーボンバックレストシートは、電動リクライニングやシートヒーターも搭載。ホールド性はもちろん、快適性も確保しました。
走行性能に関しては、Sシリーズの証ともいえる、パワートレインにまで手が加えられています。
エンジンは、WRX S4の2.4リッター直噴ターボエンジン(FA24型)をベースに、吸気系統ではエアクリーナー、吸気ダクト、ターボ前ダクトを新開発。また、排気系統には、新開発の大口径テールパイプを備えた低背圧パフォーマンスマフラーと、砲弾型チャンバーを備えたエキゾーストパイプリヤを採用することで、吸排気抵抗を低減しました。
さらに、ECUを専用チューニングすることで、最高出力はベース車の275馬力に対して300馬力(開発目標値)にパワーアップ。アクセル操作に対するリニアなトルクレスポンスにより、あらゆるシチュエーションで安心、かつ気持ち良いアクセル操作ができるエンジン出力特性を実現します。
トランスミッションには、Sシリーズとしては初となるスバルパフォーマンストランスミッションを採用。変速特性をエンジン出力特性に合わせてチューニングすることで、素早い変速レスポンスと高い操縦性をもった駆動力特性を実現し、ドライバーの意思をより的確に伝え、走りの愉しさを提供します。
足回りには、ミシュラン製255/35R19 ハイパフォーマンスタイヤや、ステアリング操舵時の車両応答性を高めるため、前後で異なる形状とし、タイヤの接地面積を最適化した STI 製フレキシブルパフォーマンスホイール、専用チューニングの電子制御ダンパーとコイルスプリング、新開発のリヤスタビライザーブッシュを採用。
また、ブレーキには、ブレンボ製フロント18インチベンチレーテッドディスクブレーキと、専用チューニングの電動ブースターを採用することで、コントロール性に優れたブレーキシステムを実現しました。