日産・自動車大学校は、2025年1月10日に開幕したカスタムカーショー「東京オートサロン2025」で、カスタムカー「Z Lealia」を公開しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■まさかの「フェアレディZワゴン」 美しいボディに驚愕
日産グループで自動車整備専門学校の日産・自動車大学校は、2025年1月10日に開幕したカスタムカーショー「東京オートサロン2025」で、カスタムカー「Z Lealia(Zリーリア)」を公開しました。
デザインなどはまさに「フェアレディZワゴン」と呼べるスタイリングですが、どのようなクルマなのでしょうか。
日産・自動車大学校では毎年東京オートサロンに出展し、車体系課程の学生による授業の集大成として、カスタムカーを製作し披露しています。
今回披露されたZリーリアも、日産京都自動車大学校(以下、京都校)の自動車整備・カスタマイズ科 4年生が、6か月間の製作期間を経て製作したカスタムカーです。
ベース車は、日産が販売していた「ステージア」2代目(M35型)。
スポーツセダン「スカイライン」と同一プラットフォームをもつステーションワゴンで、ハンドリングに優れたFRレイアウトにV型6気筒エンジンを搭載。スポーティな走行性能が特徴のクルマです。
これをベースに、「家族と歩むスポーツワゴン」をコンセプトとし、刺激と日常を合わせ持ったクルマを目指して企画。
ステージアが持つ、ステーションワゴンらしいスクエアなプロポーションを、最新のスポーツカー「フェアレディZ(RZ34型)」のような流麗なデザインを実現するために、様々な工夫が施されたといいます。
なお、車名のLealia(リーリア)とは、英語の「Lead(率いる)」とラテン語の「Familia(家族)」から組み合わせた造語。
スポーツカーが好きでフェアレディZに憧れるお父さんが、家族と一緒に5人で乗れるスポーツカーでドライブを楽しんでもらいたいという、学生たちの思いが込められているようです。
製作を担当した学生は、ステージアを用いた理由について以下のように話しています。
「これまで先輩たちは、フェアレディZをモチーフにしたカスタムカーをたくさん手掛けてきました。例えばSUVの『ムラーノ』をベースにしたモデルなどです。
このほか東京オートサロンで公開していたものは、コンパクトカーとかミニバンとか、メジャーなボディタイプが多かったので、今回はあえて日産の現行ラインナップにもないステーションワゴンで作ろうということになりました」
また、フェアレディZとステージアは、FRレイアウトや6気筒エンジンなど、共通項も多かったこともポイントだったといいます。
ボディカラーは、RZ34型が発表された当時のイメージカラー「イカヅチイエロー」を採用しました。
フロントフェイスはRZ34型発表当時に初代フェアレディZ(S30型)からオマージュされたと話題になった、特徴的なヘッドライトやスクエアなグリルをそのまま移植。精悍で流麗なスタイルが与えられています。
いっぽう、ボンネットヒンジやボンネットを閉めた際のキャッチの位置が変わらないよう、極力インナー(内部)パネルは純正から変えず、アウターパネルのみを加工したといいます。
そしてリアはステージアのボディから一変。クオーターやルーフを切断し、さらには日産のEV「リーフ」のリアエンドを丸ごと取り付けて溶接。
クオーター部とテールゲートは初代・2代目のリーフのパーツをどちらも組み合わせて使っていますが、違和感の少ない仕上がりです。
学生によると、クオーター部の作業がリアのデザインを大きく左右することから一番大変だったと振り返り、製作期間の半分以上を費やしたようです。
リアフェンダーもワイド化を図り、RZ34型らしい筋肉質で迫力のあるものを再現しました。これによって、ドアとの段差が生じるため、ドアのリア側は厚みをもたせるように肉盛りしています。
なおリアの下半分はK13型「マーチ NISMO」のバンパーを採用。下部はディフューザー形状となっており、流麗なスタイルとスポーティさを両立しています。
インテリアはもともとはベージュだったといいますが、クルマのイメージに合わせてスポーティなブラックへと塗装。シートはイエローとブラックのシートカバーを装着し、ステーションワゴンでありながら、高性能さを感じさせるものとなっています。
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学生によると、来場者の多くはフェアレディZのステーションワゴンということもあり、実車の前で足を止めて写真を撮る人も多かったようです。
また、ベースがステージアだと伝えると驚く人もいたほか、イエローの内装が女性にも高評価だったといいます。