国道20号(甲州街道)にて、大月市と甲州市を抜ける新たなトンネル建設が進んでいます。一体どのようなトンネルで、どこまで進んでいるのでしょうか。
■新笹子に並行して新トンネルを建設
国道20号(甲州街道)にて、大月市と甲州市を抜ける新たなトンネル建設が進んでいます。
一体どのようなトンネルで、どこまで進んでいるのでしょうか。
国道20号は八王子を過ぎると、長い谷間の山岳区間に入っていきます。大月市を過ぎると、甲府盆地に入るまでの最後の難所を、長さ約3000mの「新笹子トンネル」で一気に抜けます。
新笹子トンネルの開通は1958年。すでに60年が経過し、老朽化が著しくなっています。さらに、狭いトンネルを対面2車線で通している状況で、大型化する昨今の自動車事情を考えると、安全とは言えません。
また物流面でも、高さ3.9mを超える大型車は通行不能で、中央道の代替ルートとしては不十分です。この点は国や沿線自治体による「東京~山梨・長野 交通強靱化プロジェクト」で課題としてあげられ、緊急時の輸送路確保が急務とされています。
こういった背景から、新笹子トンネルについて隣にもう1本のトンネルを掘り、今のトンネルは「避難用トンネル」とする事業が始まっています。
新設トンネルは延長3.3km。道路幅が既設の7.5mに対して10.0mと大断面で、通行に余裕があるだけでなく、歩車道も整備されます。
また、新設トンネルと既設トンネルとは8か所の「避難坑」で互いにつなげられ、トンネル内で緊急事態が発生した場合も、もう一方のトンネルへ逃げ込むことが可能になります。
気になる進捗ですが、2023年にトンネル本体工事が開始。坑口付近の法面工事を経て、いよいよ掘削が始まっている状況です。
ちなみに、新笹子トンネルを抜けた西側にも短い「観音トンネル」がありますが、こちらも老朽化対策が実施されています。こちらはもう1本トンネルを通す代わりに、新たに橋を架ける計画となっています。