「東京オートサロン2025」でダイハツは「ミライース GRスポーツ コンセプト」を展示しました。通常仕様にはないMTとターボを搭載したスポーツモデルですが、どのような特徴があるのでしょうか。
■ユーザーの反響次第では市販化も実現!?
2025年1月10日から3日間開催された「東京オートサロン2025」の会場には数多くのカスタムカーのほか、自動車メーカーからコンセプトカーも展示されました。
そんななか、高い注目を集めていたのが、ダイハツブースに展示された「ミライース」をベースとした「GRスポーツ コンセプト」です。
このモデルはダイハツのベーシックな軽自動車である「ミライース」をベースに、軽オープンカー「コペン」に搭載されているターボエンジンや5速MTを換装し、専用のバンパーやスポーツシートを装着したホットモデル。
ミライース GRスポーツ コンセプトを手掛けた仕掛け人のひとり、“DAIHATSU GAZOO Racing”の相原泰祐さんは、ダイハツチャレンジカップに参加したユーザーから、「ターボでMT、4人が乗れる楽しい軽自動車が欲しい」という声を多く耳にしたことからミライースをベースとしたホットモデルの製作を開始したといいます。
その開発の舞台に選んだのがラリーを主体としたモータースポーツの現場であり、TOYOTA GAZOO Racingと同じく、“もっといいクルマづくり”をするためにモータースポーツに参戦。
相原さん曰く、「テストコースを何日も走ってようやく分かるような問題点が、ラリーでは1日で発生する」とのことで、過酷なモータースポーツに参戦したからこそ分かる部分が多くあったとのこと。
その代表的なものがバンパーに設けられたエアダクトで、ターボ化に伴って発熱量が上がった結果、水温上昇に悩まされることとなり、その対策としてバンパーに穴を開け、フロントフェンダーにエア抜きのダクトを設けたことで問題解決に至ったそうです。
そのため、コンセプトカーにもラリーカーと同様にフロントバンパーとフロントフェンダーにエアダクトが装着されたというワケなのです。
またラリーではレギュレーションでバンパーの交換が許されていないため、当初から前述のダクト穴や空力に寄与するエアロパーツなどを標準装備し、競技で破損しやすいフロントバンパーサイドのエアロパーツは別部品とするなど、補修のしやすさも考慮されています。
このようにかなり本気で作り込まれたミライース GRスポーツ コンセプトですが、相原さんとしては“発売する気マンマン”で開発しており、とりあえずコペンのターボエンジンと5速MTを換装したお手軽コンセプトカーとは一線を画したものだといいます。
また、今回展示されたコンセプトモデルは、コペンにも採用されているレカロシートやBBSの鍛造アルミホイールなども装着したスポーティな仕様となっていたのもポイントだといえるでしょう。
実際に発売されるかどうか、もし発売されるのならばどのような仕様になるのかは、一般ユーザーの意見によるところが大きいとのこと。
相原さんによると「GRの名前を冠するのであれば、そのまま乗っても満足いただける仕様で出すのが一番じゃないかと考えています。ただモータースポーツベースにするユーザーでは『そんなのいらないよ』という意見もあると思うので、『GRヤリス』の『RC』のように、レスオプション仕様を用意したいですね」と、かなり具体的な構想もある様子でした。
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いずれにしてもミライース GRスポーツ コンセプトが現実のものになるかどうかはユーザーの声にかかっているようです。
ダイハツ関係者は、東京オートサロン会場はもちろん、ニュースサイトでのコメントやSNSなど細部までチェックしているということなので、皆さんも忌憚のない意見を届けてみてはいかがでしょうか。