トヨタのアメリカ法人がかつて写真を公開したコンセプトモデル「サイオンX86Dコンセプト」(2012年製作)に、ネット上では多くの反響が集まっています。
■幻のスポーツワゴン「X86Dコンセプト」に反響集まる!
トヨタのアメリカ法人は2023年、“Hidden Gems(隠れた宝石)”と題して、コンセプトモデル「サイオンX86Dコンセプト」(2012年製作)の写真を公開しました。
当時若者向けブランドであったサイオンが手掛けた5ドアボディの86に、ネット上では多くの反響が集まっています。
トヨタのライトウェイトスポーツカー「86(ハチロク)」は、スバルとの協力で生まれたモデルです。
その86という名前は、1983年に登場した4代目「カローラ レビン」および「スプリンター トレノ」の型式名「AE86」に由来しています。
このAE86は、FR駆動のライトウェイトスポーツカーとして多くのファンを魅了し、特に漫画「頭文字D」の影響でその人気が一段と高まりました。
同作品の主人公がこのクルマを操る姿が読者の心を掴み、現在でも中古車市場で高額取引が行われるなど、その存在感は衰えることを知りません。
その系譜を継ぐモデルとして、2011年の東京モーターショーでプロトタイプが公開された後、初代モデルは2012年2月に正式デビューしました。
低重心設計とFR駆動方式、スバル製の水平対向エンジンを搭載することにより、扱いやすいパワーのなかで優れたハンドリング性能とダイナミックな走行体験を提供。
そこにスポーティかつコンパクトなボディデザインも相まって、日本市場だけでなく北米でも広く支持されています。
そんな初代86ですが、2003年から2016年にかけて、北米でトヨタが展開していた若年層向けブランド“サイオン”から、「FR-S」という名称で販売されていました。
そのモデルをベースとしたコンセプトカーとして公開されたのが、サイオンX86Dコンセプトです。
このコンセプトモデルは、トヨタが北米市場でのデザイン開発を目的に設立した「キャルティデザインリサーチ」が手掛けたもので、これまで「セリカ」や「エスティマ」、「ソアラ」など、多くの革新的なデザインを生み出してきました。
X86Dは、FR-Sのプラットフォームを流用しつつ、シューティングブレイクのスタイルを取り入れた独特のデザインを採用。
ボンネットは低く抑えられたデザインに、グラマラスなボディラインは、アメリカで人気のホットロッドを意識したスタイルとなっています。
また黒いグラフィックや蝶ネクタイのような装飾が目を惹く、ユニ-クな仕上がりとなっています。
しかし、その強烈な個性ゆえに市販化されることはありませんでした。
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サイオンX86Dコンセプトに対して、ネット上では「めちゃカッコイイ」「シューティングブレイクもありだなあ」「個性的でいい」「2012年とは思えない」「10年以上前のクルマとは思えない」など、特徴的かつタイムレスなエクステリアデザインが好感を得ています。
また「実車見てみたい」「日本で見られる日は来るのかな」「このスタイルをエアロパーツでカスタムできたらいいのに」と、国内導入を求める声も複数見られました。