埼玉県西部の国道17号で、約13kmをまるごとバイパスする新ルート「本庄道路」が整備中です。完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
■2022年に全線事業化
埼玉県北部の国道17号で、約13kmをまるごとバイパスする新ルート「本庄道路」が整備中です。
完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
本庄道路は、JR高崎線に並行する国道17号のうち、高崎市~深谷市~本庄市にわたって北側にバイパスする道路です。
利根川南岸エリアの高崎~大宮の主要道路軸であるにもかかわらず、このあたりの国道17号は旧態依然とした狭い2車線道路で、慢性的に延々と大渋滞が続いている、破滅的な状況です。勅使河原北、若泉二丁目、四拾坂下など、主要渋滞交差点は枚挙にいとまがありません。
そこで、丸ごと新ルートでバイパスし、交通容量を増大させるのが「本庄道路」計画です。もともと「現道の6車線拡幅」という案もありましたが、沿線が発展しすぎて用地取得が困難であるという理由や「生活交通と中長距離交通の分離」を図る目的から、新ルートによる整備に決まりました。
本庄道路は、国道426号など主要交差点部が立体交差化され、信号待ちを解消します。まずは国道426号の北側を「1期区間」、南側を「2期区間」として、2段階で進められています。
本庄道路の南側では、一部4車線化している「深谷バイパス」が開通済みです。深谷バイパスは長距離ネットワークを担う無料の高規格道路「上武道路」熊谷バイパスへ直結し、将来的には大宮・都心方面へ信号ゼロでつながる計画になっています。
さて気になる進捗ですが、1期区間の用地取得率は、2024年時点でいよいよ99%に到達。工事が本格的に進みだす段階へ入ってきています。
まずは強烈なボトルネックだった「神流川橋」が新橋に架け代わり、2022年に開通。次は、時間のかかりそうな立体交差部の橋脚やボックスカルバートなどの建設が先行で進められている状況です。
南側の2期区間のほうは、2022年に事業化したばかりで、まだ測量設計の段階。用地取得をはじめ目立った進捗は見えていません。
ともあれ、神流川橋という大工事が一段落したことで、リソースが残り区間に振り分けられることとなり、2025年度以降の進捗動向に注目です。まだ開通めどは明らかになっていませんが、国は「早期開通をめざす」としています。