日本では販売されていないトヨタ「ランドクルーザー70ナローボディ」。2024年からいくつかのイベントで展示されていますが、近い将来に日本でも販売されるかもしれません。
■ランクル70ナローボディの発売は間違いない!?
クロスカントリー4WDファンの間で、絶大な人気を誇っているのがトヨタ「ランドクルーザー70」です。
“ナナマル”の愛称で呼ばれている同車は、1984年にデビューしたモデルですが、幾度となく仕様変更を繰り返しながら進化。
発売から40年経った現在でも、世界中で現役のクルマです。
2023年には日本で8年ぶりに再々販売となり、3ナンバーワゴン、6ATという新たな価値を市場に提案しました。
もちろん、その人気ぶりは凄まじく、発売直後に2025年12月分までの製造台数をアッという間に完売。
現在は受注停止の状態となっていますが、2025年夏頃には次回製造分の受注が再開されるのではという情報が届いています。
新型70は3ナンバーワゴン&ATということがあり、購入したユーザーは「ランドクルーザー70・150系」からの乗り替え組がかなりの割合を占めているのだとか。
その一方で、新型には満足できないという声があるのも確かです。
例えば、初代70にこだわるオールドファンは、ワイドボディやATに否定的。よりシンプルで信頼性の高いメカニズムを求めています。
また、JAFや高速道路管理会社などのプロユーザーからは、ナローボディで車内後部により多くの道具が積載できる70が求められています。
ワイドボディだと、路肩に駐車した時に他車に邪魔になるからという理由があるからです。
こうしたユーザーの声をトヨタ側も理解しており、現在のワンバリエーションだけでなく、ナローボディ&2シーターの70発売を画策しています。
2024年に開催された「群馬パーツショー2024」ではトヨタとして、タイ仕様の「ハイラックスチャンプ」の横に海外仕様の70ナローボディを展示。
また、「東京オートサロン2025」でも群馬トヨタの出展というカタチで、オーストラリア仕様の70ナローボディをさりげなく展示していました。
こうしたトヨタのアクションは、一般ユーザーへの市場調査の一環。
幅広いユーザーの意見を集めることで、国内販売に向けての弾みをつけたいという意向があるようです。
オートサロンにいた70担当の開発者に話を聞きました。
「日本で70ナローボディのご要望があることは、以前より把握しております。
特にプロユースの現場からのご要望が多いのですが、やはり国内市場で発売するにはまとまった台数が見込めないと難しいという事情も。
ですので、こうしたイベントなどで一般ユーザーのお声を聞きながら、どういったカタチで発売できるのかを模索しているところです。
私たちとしても、ぜひ日本の皆様に乗っていただきたいと思っております」
ちなみに日本で発売するのは法規上の問題といった壁があるようで、その点ではまず海外仕様でクリアしてからのほうが日本での販売実現がスムーズなのだとか。
そういうことを考えれば、2025年や2026年にすぐというわけにはいかなさそうですが、ファン垂涎の70ナローボディを手に入れられる日も遠くなさそうです。
また、70ナローボディについては、防衛省が陸自自衛隊の1/2t小型トラックの後継として導入を検討しているという話もあります。
一部では「70は2025年内で日本販売を中止する」といった噂も流れていますが、今回の70はカタログモデルとして長期間販売するために各部を変更したクルマ。
開発スタッフによれば、現行型もさらに各部を改善することで、日本のユーザーがさらに長く乗ってもらえるように努力していくということでした。
まだまだユーザーの手に行き渡っていないランドクルーザー70ですが、近い将来にはナローボディやショートボディ、さらにはMT車といったラインナップが充実しているかもしれません。