2025年1月10日にトヨタは、かねてからトヨタ車体が展開しているランドクルーザー専門店「ランクルBASE」を2025年2月1日からトヨタが事業主体として進めていくことを発表しました。
■「ランクルBASE」どうなる?
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズを製造するトヨタ車体が、ランドクルーザーユーザーとダイレクトに繋がるため、2023年に愛知県内にオープンさせたカスタムショップ「ランクルBASE」。
年頭に開催される東京オートサロンでは、「ランドクルーザー70」のシャシーに「ランドクルーザー40」のボディを載せたカスタムカーを展示するなど、これまで新旧ランクルの多様なライフスタイルを提案してきました。
そんなランクルBASEですが、先頃行われた東京オートサロン2025にてちょっとした異変が起こりました。
2023年、2024年と独自のブースを出展していた同ブランドが、どういうわけか「TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)」のブース内でランクルBASEがカスタムした「ランドクルーザー70オーバーシー」が展示されていたのです。
TGRと言えばトヨタ本体のブランドですが、グループとは言えトヨタ車体とは別なチャネルというのがこれまでのポジションでした。
それが、なぜ同じブース内に展示されていたのでしょうか。会場にいた説明スタッフに聞いてみました。
「実はランクルBASEは、2025年2月よりトヨタ自動車が事業主体となります。
運営はトヨタ車体が引き続き行いますが、ブランドやショップのプロデュースなどはトヨタでリードしていくことになりました」
トヨタは2021年の「ランドクルーザー300」を皮切りに、「ランドクルーザー250」、「ランドクルーザー70」再々販モデルと新型車を続々と投入し、新世代のランクルの価値観を市場に提案しています。
さらにTGRから「GRヘリテージパーツ」として、40用と60用のパーツを発売。旧車を大切に乗り続けているオールドファンに対して、新しいサービスを展開しています。
今回のランクルBASEの事業主体の移管は、ランドクルーザーユーザーとダイレクトに繋がり、そこから得た声を開発企画にダイレクトに活かしたいというトヨタの豊田章男会長の意向から決まったようです。
ちなみにランクルBASEには企画運営には、ランドクルーザーの開発者も参画しており、トヨタサイドの本気度が伺えます。
「これまでは製造メーカーの知見を活かしたカスタムショップとして展開してきました。
今後はメーカーならではの企画力や技術力、ノウハウを活用した商品展開を行い、より洗練、充実したサービスが行える。
そしてユーザー様の声を開発がダイレクトに吸収できるアンテナショップにしていきたいと考えています」
ちなみに今回展示された70オーバーシーは、日本で販売されているモデルに、様々な海外仕向け地用に製造されているパーツを装着した車両。
ランクルBASEはこれまでも、こうした海外仕様パーツの装着販売を行ってきました。
しかし今後は、法規的なクリアという点も含めて、よりユーザーが安心、満足できるマニアックなカスタムの提案が行われそうです。
ちなみに、「群馬パーツショー2024」にて展示されたナローボディのランクル70。
未だオールドファンやプロユーザーを中心に要望のあるモデルですが、トヨタとしてはランクルBASEも意見収集の拠点として活用し、発売実現に向けて粛々と進めたいという意向があるようです。
日本国内でも歴史と実績のあるランドクルーザー。
250が新しい技術を取り入れながらランクルの原点回帰を果たしたように、トヨタもユーザーの意見をより深く集めながら、さらに満足度の高いランクルを想像するための新たなアクションを市場レベルでスタートさせたのではないでしょうか。