「東京オートサロン2025」にて、日本自動車大学校はスズキ「ジムニー」のカスタムカー「NATS SAMURAI」の実車を初公開しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
■NATS「SAMURAI」実車初公開!
2025年1月10日から12日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されていた「東京オートサロン2025」にて、日本自動車大学校(千葉県成田市/以下NATS)は「NATS SAMURAI」の実車を初公開しました。
NATSは、日本を代表する自動車技術者養成校であり、4つの学科をもとにクルマ業界で活躍するプロフェッショナルを育成しています。
また、実践的な教育環境が設けられており、一例としてカスタマイズ科は1997年に創設されて以来、授業で得た技術をもとに卒業作品としてカスタムカーを製作し、長年東京オートサロンに出展してきました。
そんなNATSが今回出展したSAMURAIは、学校の倉庫に保管されていた校長先生の所有物であるスズキ初代「ジムニー(LJ20/1974年式)」をベースに、「Diversity(多様性、変化、不同)」のコンセプトのもと、車高を低くする北米仕様のローライダーをイメージしてカスタマイズしたといいます。
そのイメージのもと、足回りにはSKIPPER製のハイドロリックサスペンションを採用し、車高は純正モデルと比べて約30cm下げられ、完全着地を目指した仕上がりです。
そして一瞬で目を惹くキャンディーゴールドのボディカラーは、なんと6層も塗り重ねており、外側のみならず覗き込まないと見えない細部に至るまで塗装されていました。
しかし、50年以上前の車両を塗装するにあたってかなり苦労したようで、制作に携わった学生たちは、
「最初はボディ全体が錆びていて、フロアに穴が開いている状態でした。
そのためカスタムと同時並行でボディを修復して、錆をとってといった、塗装に入るまでの下処理が凄い大変でした。」
と語っていました。
ほかにも外装には、アメリカの伝説的なホットロッダーであるディーン・ムーンによって創設された自動車パーツ・用品メーカーブランド「MOON EYES(ムーンアイズ)」のダミーティアドロップスポットライトや59-60メッキボウタイロゴミラー、シームレスエアタンク、ワンオフレークパイプ、コンチネンタルキットなどが装備されています。
また内装にも同じくゴールドカラーが用いられており、MOON EYESのクロームステアリングホイールを装備するほか、純正シートを張り替えてアメリカンヴィンテージらしい縦ラインステッチを施すなど、外装に負けない華やかな仕立てとなっていました。
さらにSAMURAIは後ろには、同じくキャンディーゴールドのトレーラーにバイクを載せ、牽引するイメージでディスプレイされていたのも印象的です。
このトレーラーは、以前トヨタ「アルファード」用に製作したものを利用してジムニー仕様にカスタムを施し、そこに同じコンセプトでカスタマイズされたオートバイを積載。
それらも含めトータルコーディネートとして、ローライダー文化へのリスペクトを非常に感じる1台となっていました。
なお、SAMURAIの今後について、前出の学生たちは、
「今はナンバーが切れている状態なのですが、これから車検取得に向けて頑張って取り組む予定です。
そして、最後にこのSMURAIで卒業旅行という形でドライブするのを目指す形になります。」
と語っていたことから、公道を走る姿が見られる日もそう遠くはないかもしれません。
※ ※ ※
NATSはほかにも、同じくジムニーをベースとした「NATS MINI RANGER(ミニレンジャー)」や、トヨタ「86」をベースに、レクサス「エレクトリファイドスポーツ」がスーパーGT500クラスにレース参戦するのを想定してカスタムを施した「NATS LFA-2 GT concept」などを含む、全8台のクルマを披露していました。