京都市内の主要渋滞区間である、国道9号の「五条天神川」周辺で、渋滞緩和のための立体交差事業が進められています。一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。
■京都市内の道路事情に大変化!?
京都市内の主要渋滞区間である、国道9号の「五条天神川」周辺で、渋滞緩和のための立体交差事業が進められています。
一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。
この事業は「京都西立体交差」葛野工区というものです。
五条通を西進する国道9号が、阪急京都線の高架をくぐったあとすぐ地下へ潜り、「葛野大路五条」「五条天神川」の2か所の交差点を丸ごとスルー。地上へ出るとそのまま高架になり、「葛野西通」交差点をまたいでいきます。
1.1kmにもおよぶ長い連続立体交差で、混雑がひどい3つの交差点を一気に「信号ゼロ」で通過していきます。
五条天神川交差点では1日あたり4万7100台もの交通量があり、道路容量の1.6倍にものぼってパンク状態。葛野エリアでは、10年間の死傷事故率が京都市内の国管理道路の約2倍にもなっています。
いずれの交差点でも右左折車が多く、通過利用の直進車とのあいだで交錯が常に発生しているため、右直事故や追突事故、さらにスピード低下を招きやすい状況でした。
同様の背景で、少し先には「千代原口」交差点が悪名を轟かせていました。交通情報ではその名を聞かない日は無いほど、大渋滞の名所となっていました。しかし2013年に立体交差化が完了し、直進車はスムーズに交差点を通過しつつ、右左折車も安心して交差点を曲がれるようになり、死傷事故率が45%低下という劇的効果をもたらしています。
気になる葛野工区の進捗ですが、まだ調査設計の段階で、現場は動き出していません。
工事が始まれば、道路中央部を交通規制してアンダーパス建設作業が続いていくため、交通切り回しが必要となり、その対策も事前に要調整となります。工事の進捗によっては一時的に迂回が必要となるかもしれません。しかし、ここが完成すれば、長年の懸案だった京都市内の国道9号の渋滞ポイントは、大きく解消されることとなります。