「東京オートサロン2025」にて、日本自動車大学校はスズキ「ジムニー」のカスタムカー「NATS MINI RANGER」の実車を初公開しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
■NATS「MINI RANGER」実車初公開!
2025年1月10日から12日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されていた「東京オートサロン2025」にて、日本自動車大学校(千葉県成田市/以下NATS)は「NATS MINI RANGER(ミニレンジャー)」の実車を初公開しました。
NATSは、日本を代表する自動車技術者養成校であり、4つの学科をもとにクルマ業界で活躍するプロフェッショナルを育成しています。
また、実践的な教育環境が設けられており、一例としてカスタマイズ科は1997年に創設されて以来、授業で得た技術をもとに卒業作品としてカスタムカーを製作し、長年東京オートサロンに出展してきました。
そんなNATSが今回出展したミニレンジャーは、ベースのフレームにスズキ2代目「ジムニー(JA11/1995年式)」を、キャビンと荷台のフロアには同じくスズキの9代目「キャリイトラック(DC51T)」を使用。
それらをニコイチにして「Small and Big Rally Car」のコンセプトのもと、パリ・ダカールラリーに参戦している日野「レンジャー」をミニサイズで再現したといいます。
そのイメージのもと、足回りにはモーターファームのリーフタイプS足回りキットを採用。
そこに「TOYO TIRE OPEN COUNTRY」の195/80R15(前後同じ)タイヤと、「CRIMSON DEAN COLORADO」の15インチホイールを合わせた結果、車高は純正モデルと比べて約10cm上げられ、オフロードテイストな仕上がりとなっています。
外観のエアロ類は、学生たちがオリジナルで製作。
また、テールライトは現行ジムニーのものを、ヘッドライトにはダイハツ「ハイゼット」のパーツを、フロントグリルは日野「デュトロ」の部品を採用するなど、灯火類は既存の車種を流用する創意工夫がなされているのもポイントです。
荷台の部分も、フレームに対して外側から鉄板を貼って、内側にはプラスチックの板を貼るなどの過程を経て、フロア以外は全て自作したといいます。
しかし、ほとんどのパーツをイチから製作するにあたって苦労した点もあったといい、製作班の班長が担当したリアバンパー部分では、
「ワンオフで作ったんですけど、テールライトの枠を設けるのに苦労しました。
左右対称にしないといけないですし、実際に作ってみると先に作った枠の方が小さくて、片方のテールライトが奥まで入らず面が合わなかったりなど、試行錯誤した部分です」
と語っていました。
ちなみにボディカラーもレッドとホワイトを基調とした、ラリーカーを意識した配色となっており、ドア部分にはレース車両にドライバーの名前が記されている部分をオマージュして、製作班の学生たちの名前が入っているのを発見。
「当初は入れる予定がなかった」と述べていたものの、忠実にラリー車をオマージュしつつ、メモリアルなものとなっており、学生たちのクルマへの愛を感じる工夫が施されているのが印象的でした。
一方で内装には、BRIDEのフルバケットシートやNARDIのスポーツタイプのステアリング、さらにダッシュボードには追加されたメーター類が置かれ、外装に負けないレーシーな雰囲気にアップデートされています。
そんなミニレンジャーですが、今後は車検を取得して、このクルマで卒業旅行という形でドライブするようで、公道を走る姿が見られる日もそう遠くはないかもしれません。
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NATSはほかにも、同じくジムニーをベースとした「NATS SAMURAI(サムライ)」や、トヨタ「86」をベースに、レクサス「エレクトリファイドスポーツ」がスーパーGT500クラスにレース参戦するのを想定してカスタムを施した「NATS LFA-2 GT concept」などを含む、全8台のクルマを披露していました。