会場が沸き立つカスタムカーは、スポーツカーや大型SUVばかりではありません。脳内に「?」がいっぱい浮かぶような独創的なアイデアで作られた軽トラック「吉田電器商用車」が、「東京オートサロン2025」で大きな話題を集めていました。
■脳がバグる! “サニトラ”顔した「街の電気屋さんトラック」!?
刷り込まれた「常識」と異なる情報を感じると、人の脳は「???」という反応を示すものです。それが、東京オートサロン2025に「fusion(フュージョン)」が展示したスズキ「キャリイ」のトラック、その名も「吉田電器商用車」です。
まさしく脳がバグるほどの衝撃的なカスタムカーで、会場で大きな話題を集めていました。
フロントマスクを他の車種をイメージしたパーツへスワップするのは、カスタムの世界では珍しくないのですが、それはある程度「形状が類似している同士」で行われます。
しかし、吉田電器商用車は、ボンネットがないキャブオーバー型のキャリイトラックに、日産の2代目「サニートラック」中期型のデザインを模したフロント形状を与えるという大胆な発想で製作。
「サニートラックの顔なのに、軽トラック……!? ボンネットがないのはおかしい!」という衝撃を脳に受けるのです。
それをより強く感じさせるのが、グリル・バンパーや丸いヘッドライト・ウインカーなどの灯火類の高い再現度。
グリルはサニートラックのパーツそのものかと思いきや、新たに製作されています。
さらに注目は、グリル上のつまんだような造形。これは、サニートラックのボンネットデザインを反映したものです。なんというこだわり!
しかもショーモデルのカラーリングは「サニートラックといえば」という昭和の「街の電気屋さん」を思わせるトリコロールカラーを採用。
フロントバンパー下にはチンスポイラーが備えられ、足回りはスターシャークホイールを装着しています。
サスペンションキットにSpiegrl(シュピーゲル)のプロトタイプを組み込んで車高も下げられており、カスタマイズされたサニートラックのような雰囲気を強く発していました。
このカスタムカーを製作したのは、軽自動車用にサスペンションやマフラーなどを販売するブランドのシュピーゲル)、【融合】をテーマにスズキ「ジムニー」や「エブリイ」のエアロパーツ・外装パーツを販売するフュージョン、ジムニー専門パーツブランドの「Beyond」などを展開する「ラスター」です。
ラスターでは、このサニートラック風フェイスリフトキットの発売も予定しているとのこと(価格未定)。
DA16T型のキャリイ/スーパーキャリイのほか、キャリイのOEM車であるマツダ「スクラムトラック」、日産「NT100クリッパー/クリッパートラック」、三菱「ミニキャブトラック」でも装着可能とアナウンスされています。
実は同社では、ダイハツ「ハイゼットトラック」用にトヨタ「ランドクルーザー300」のイメージを移せるキットも製作しています。
こちらも「ボンネットがないランクル」なのですが、サニートラック風キットに比べると違和感がほとんどありません。その理由は、ヘッドライトを純正流用しているからではないかと思われます。
カスタムの世界はまだまだ奥が深そうです。