2025年1月10日から13日まで、毎年恒例のカスタムカーイベント「東京オートサロン(TAS)2025」が開催されました。さまざまなモデルが登場するなか、三菱「アウトランダーPHEV」の特別なカスタムモデルが注目を集めています。どのようなクルマでしょうか。
■三菱が手がけた究極の“痛車”!?
三菱が「東京オートサロン(TAS)2025」に出品したコンセプトモデル「アウトランダーPHEV NIGHT SEEKER CONCEPT(アウトランダーPHEV NSC)」は、人気ゲーム「METAL GEAR SOLID(メタルギアソリッド)」シリーズをイメージし、デザインされたことで話題となりました。
どのような経緯から、このアウトランダーPHEV NSCを制作するに至ったのでしょうか。開発担当者に話をききました。
三菱ブースにてひときわ高い存在感を放っていた、カスタムコンセプトカーのアウトランダーPHEV NSC。
黒を基調とした都市迷彩が施され、随所に強固そうなアーマー(装甲)が備わるなど、まるで現代ミリタリーをテーマにしたアクションゲームやアニメ作品から飛び出してきたかのような出来映えです。
それもそのはず、このアウトランダーPHEV NSCは、人気ゲームの「メタルギアソリッド」シリーズをイメージしてデザインされました。
メタルギアソリッドシリーズ(及び、メタルギアシリーズ)は、コナミのリリースするアクションゲーム。
“敵に見つからぬよう、隠れて敵陣に潜入する”ことをゲームのコンセプトとしており、「ステルスゲーム」や「スニーキングゲーム」と呼ばれるジャンルの草分け的な存在です。2023年までにシリーズで世界累計6000万本を販売しました。
メタルギアソリッドシリーズの世界的な人気はもちろんですが、なにより「ステルスゲームであること」が、コラボレートの決め手になったそう。
アウトランダーPHEVのカスタムコンセプトを決定する会議で、「アウトランダーPHEVの特徴は、モーターにより静かに走行できること。静かなことが求められる作品といえば……ステルスゲームのメタルギアソリッドシリーズだ!」との、やり取りがあったのだといいます。
またメタルギアソリッドシリーズの主人公“スネーク”が持つ、どんな過酷な任務でも必ず生還するタフなイメージは、どんな過酷な道でも確実にゴールまで到達できるタフなクルマ作りを目指す三菱の理念とも重なります。
これらの親和性の高さから、アウトランダーPHEVを幅広い年齢層にアピールするのにメタルギアソリッドシリーズはうってつけの作品でした。
三菱で話をまとめたのち、発売元のコナミに「メタルギアソリッドシリーズをイメージした、アウトランダーPHEVのカスタムコンセプトカーを作りたい」と打診。
すると「それは面白い」との返答をもらえ、アウトランダーPHEV NSCの制作が始まったといいます。
注意書きや細かい意匠は、メタルギアソリッドシリーズのファンならば思わず反応してしまうものばかり。
実は三菱のメインデザイナーもメタルギアソリッドシリーズの大ファンで、楽しみながらデザインを行ったそうです。
車名の「NIGHT SEEKER」は「夜の探索者」、あるいは「夜に探索する者」と訳せます。
開発秘話を知ると、“ソリッド・スネーク”がアウトランダーPHEV NSCの運転席に座り、夜の闇に紛れて潜入目的である施設に向かって静かに走行する……そんな場面が、脳内に浮かぶのではないでしょうか。
ソリッド・スネークの運転するアウトランダーPHEVは、どんなデザインなのか。
それを形にしてしまったアウトランダーPHEV NSCは、三菱が手がけた究極の“痛車”ではないでしょうか。