運転免許証の表面には住所、氏名、生年月日、免許証の有効期間などの事項が記載されており、あらゆる情報を読み取ることが可能です。実は免許証の「12桁の数字」からもあらゆる情報を読み取ることができます。では、一体どのようなことが分かるのでしょうか。
■「5桁目~6桁目から学科試験の点数が分かる」ってホント?
運転免許証を見れば住所や氏名などの情報が分かりますが、実は免許証の「12桁の数字」からもあらゆる情報を読み取ることができます。
では、一体どのようなことが分かるのでしょうか。
運転免許証の表面には住所、氏名、生年月日、免許証の有効期間などの事項が記載されており、あらゆる情報を読み取ることが可能です。
たとえば「免許の条件等」の欄に「眼鏡等」と表記されていれば、車両の運転に際して眼鏡やコンタクトといった視力矯正用具が必要であると分かります。
さらに「免許の種類」の欄に「大自二」の表記がある場合は、その免許証の保有者が大型二輪免許を取得していて、総排気量が400ccを超えるバイクを運転できるといえます。
また意外と知られていませんが、実は免許証の表面にある12桁の数字からもさまざまな情報が読み取れます。
インターネット上においては、この数字から「交通違反歴や免許取得時の学科試験の点数が分かる」といったウワサも聞かれますが、はたして本当なのでしょうか。
そもそも、この12桁の数字は免許証番号といい、桁ごとにそれぞれ次のような名称および意味があります。
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●1桁目と2桁目 「公安委員会コード」
公安委員会コードとは最初に免許証を交付した公安委員会を示す数字であり、初めて免許を取得した都道府県が分かります。
例を挙げると、東京都で免許を取得した場合は「30」、愛知県ならば「54」、大阪府ならば「62」などと決まっています。
なお北海道は面積が非常に大きく、地域ごとに方面委員会が設置されている関係で、札幌方面が「10」、函館方面が「11」、旭川方面が「12」、釧路方面が「13」、北見方面が「14」と、公安委員会コードが5種類あります。
●3桁目と4桁目 「年別記号」
年別記号は最初に免許証が交付された年をあらわす数字であり、西暦の下2桁が表記されます。
たとえば1998年に初めて免許を取得した場合は「98」、2011年に取得した場合は「11」と記載されます。
●5桁目~10桁目 「交付番号」
交付番号は、免許の交付年ごとの一連番号を意味しています。警察では交付番号の詳細な意味を明らかにしていませんが、各都道府県公安委員会が管理する一連番号といわれています。
この交付番号を巡ってはSNS上で、「5桁目と6桁目が免許の学科試験の減点をあらわしていて、『00』なら学科試験が満点、『10』ならば90点」といった情報も流れています。
しかし、これに対しては「学科試験間違えたけど、5桁目と6桁目が『00』だった」「免許証を確認してみたら『11』以上の数字だったから、ウワサが本当なら学科試験落ちたことになってる」(学科試験の合格基準は90点)といった声が寄せられており、学科試験の点数が分かるという情報は事実でないといえるでしょう。
●11桁目 「チェックデジット」
チェックデジットは公安委員会コード、年別記号、交付番号に基づき、「モジュラス11」という計算方式によって算出された数字です。
チェックデジットは番号の誤りを検知するための数字で、クレジットカードの不正利用や免許証の偽造防止などの目的で利用されています。
●12桁目 「再交付記号」
再交付記号とは、免許証を再交付した回数をあらわす数字です。
免許証を一度も再交付していない場合は「0」、免許証を紛失して一度再交付を受ければ「1」というように数字が増えていきます。
ただし、再交付の回数が10回の場合は「1」と表記されます。
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そのほか免許証番号に関しては「交通違反歴や犯罪歴が分かる」といった情報も出回っていますが、免許証番号を見ただけでそれらの経歴が明らかになることはありません。
警察の活動を取り上げたテレビ番組の中で、職務質問や交通違反取り締まりなどの際に警察官が免許証を確認して経歴を照会する場面があることから、そのようなウワサが広まったものとみられます。
実際のところ警察官は、ドライバーが無免許運転をしていないか確かめるために免許証の有効期間や取得している免許の種類をチェックする場合があります。
免許証の有効期間が切れていないかどうか、定期的に確認することが大切です。
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免許証には多くの個人情報が表記されており、裏面には「臓器提供の意思表示欄」もあります。
この意思表示欄の保護シールは市町村役場や警察署、運転免許センターなどで入手できるため、他の人に見られたくない場合は保護シールを貼付すると良いでしょう。