326POWERは「東京オートサロン2025」にて、トヨタ「ランドクルーザー250」ベースの「GRAVELSTANCE ランクル250」の実車を公開しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
■本格SUVをあえて“シャコタン” 新ジャンルのカスタムに注目
2025年1月10日から12日に、カスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」が幕張メッセ(千葉県美浜区)で開催されました。
数多くの車両が展示されるなか、とても車高が低いトヨタ「ランドクルーザー250」がいました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
ラグジュアリーかつ悪路走破性が高い「ランドクルーザー300」、「ランドクルーザー プラド」シリーズからの流れをくみ、使い易いサイズ感かつ悪路走破性が高いランドクルーザー250、そして業務用途や過酷な環境での使用を主体とするヘビーデューティーモデルのランドクルーザー70というシリーズが揃うなかで、ランドクルーザー250はシリーズの中間的なポジションのモデルです。
全長4925mm×全幅1980mm×全高1935mmのボディサイズに、2.8リッターディーゼルエンジンと、2.7リッターガソリンエンジンの選択肢が存在。
ボディはGA-Fプラットフォームのラダーフレームと高剛性ボディを組み合わせています。
オフロード性能も高く、マルチテレインセレクトで6つのドライブモードが選べるほか、極悪路でステアリング操作のみに集中したい時に使えるクロールコントロール、ダウンヒルアシストコントロールやヒルアシストコントールなど、坂道の上り下りのサポート技術も搭載しています。
悪路走行で重要なアプローチアングル30度、ディパーチャーアングル23度、ランプブレークオーバーアングル23度という圧倒的な対地アングルを有しているのもポイントです。
そんな悪路走破性が魅力的なランドクルーザー250のカスタムとしては、その素性を活かすようなゴツゴツの大経タイヤを履かせたり、リフトアップを施したりなど、オフロードテイストを強めるアプローチが多く見られます。
しかし、広島県東広島市に拠点を置くカスタムカーショップの326POWER(ミツルパワー)は、今まで多くのシャコタン車を作り上げてきたことから、今回の東京オートサロン2025では完全着地に近い車高全下げのランドクルーザー250を披露しました。
そのモデルは「GRAVELSTANCE ランクル250」と名付けられており、カスタムの動機についてショップスタッフは、
「名前の通り、当社の最近の流行りでゴツゴツタイヤを履かせて車高を下げた“グラベルスタンス”という新しいジャンルを作ろうと思っています」
と述べていました。
これまでもグラベルスタンスの車両を複数台手掛けたといい、第1弾としてトヨタ「クラウンスポーツ」、第2弾としてレンジローバー「ディフェンダー」、そして今回のランドクルーザー250が第3弾のモデルになるといいます。
外装は大きく手を加えている訳ではなく、純正のランドクルーザー250のスタイリングを維持しています。
車両をローダウン化させるに対し、ランドクルーザー250のリヤサスペンションはトレーリングリンク式のため、バネやショックを短くしてローダウンすることもできますが、それではこのスタイルにならないそうです。
「スタンスというからにはキャンバーも付けたいということで、リヤのトーションビームを全部取り外して、プロペラシャフトも外して、オリジナルのマルチリンクにしています。
サスペンションのキットが“チャクリキDAMPER仏恥義理(ダンパーぶっちぎり)”といって、ヘルパースプリングとカップマンも入れてあります。
そうすることでリアもキャンバーが付けられるようにしています。
フロント・リア共にキャンバーは10度半通しになっています。」
と、かなり大掛かりなカスタムを行っていることを語っていました。
タイヤは225/60R18のトーヨータイヤ・オープンカントリー、ホイールは“ヤバKING 18×11J-2改”という自社オリジナルのものを装着。
タイヤサイズだけ見ていれば普通にオフロードを走るのに最適サイズですが、18×11Jということで引っ張りタイヤでの装着でアウトリップになっているのも特徴です。
ランドクルーザー250のような本格オフロードSUVを、あえて車高を下げるカスタム事例は稀であることから、会場でも注目を集めていた1台でした。