2025年1月10日から13日まで、毎年恒例のカスタムカーイベント「東京オートサロン(TAS)2025」が開催されました。さまざまなモデルが登場するなか、非常にコンパクトなスポーツカーが注目を集めていました。どのようなクルマでしょうか。
■ポルシェ用の灯火類で完成度の高い「ミニポルシェ」を演出
2025年1月10日から12日までの3日間、世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン(TAS)2025」が開催されました。
さまざまなカスタムモデルが登場するなか、小さな「ポルシェ」を思わせるカスタムカーが来場者の注目を集めていました。
SNSは注目度の高さをはかるバロメーターですが、東京オートサロン2025でも、見事な「ポルシェ化」を受けたカスタムカーが各種SNSで大きな反響を呼んでいました。
CLS/スタンスマジックが出展した「COPERCHE(コペルシェ) 887 GT-K」は、まさにSNSで注目を集めた一台。多くの人が投稿・拡散しており、注目度の高さがうかがえました。
コペルシェ887を見てまず思うのは「妙に小さなポルシェ!」ということでしょう。
そしてこれはダイハツの初代「コペン」(L880K型)がベースなのだと気がつくと、その車名“コペルシェ”がコペン+ポルシェだとわかります。
実は、丸い車体を持つ初代コペンをポルシェ風に改造するカスタムは以前からあり、「コペルシェ」と称したボディキットも存在。フロントバンパーをポルシェ風のデザインに交換すると、ぐっとポルシェのイメージに近づけることができます。
ところが、このコペルシェ887GT-Kは、モチーフとされたポルシェ997型「911 GT3」のレース仕様(カップカー)らしい雰囲気をさらに強くしています。
そのポイントは、フロントのウインカーを997型前期と同型のLEDタイプ、テールライトも996用の「本物」を使用していること。
ヘッドライトは、楕円形のタイプをいろいろ探して検討した結果、ダイハツ「キャスト」からの流用に決定したとのこと。その苦労の甲斐あって、実車から流用したような完成度を誇っています。
さらに、コペンはオープンカーのはずですが、ルーフを固定してクーペスタイルに大変身しています。
このような改造の場合、追加される窓はポリカーボネート製などが主ですが、コペルシェ887GT-Kではサイド・リアの窓もガラスで作ってあるというこだわりです。
しかもボディパネルはルーフの一部やドアを除いてほぼ一新。ワイドボディ化して軽自動車規格をオーバーすることで、グラマラスなフェンダーを実現しました。
ポルシェ風改造を受けたコペンの多くは、ヘッドライトと楕円形テールライトはベース車のままというケースが多いようで、テールライトが横長形状のポルシェとはちょっとイメージが違うことも。
またコペンはルーフを閉じると明確なノッチがつくため、これもポルシェのフォルムとは大きく違っています。
一方のコペルシェ887GT-Kは、前述の灯火類と特有のフォルム、ボディパネルのみならず991GT3を忠実にスケールダウンしたフロントバンパーの装着など、全体的に抜かりのない作りで「コペンのポルシェ化」に成功しています。
911のエンジンの位置はリアですが、さすがにそこまでの変更は行なっておらずFFのままです。
しかしエンジンをダイハツの1.3リッターに換装してパワーアップ。リアからのぞく2本出しマフラーは八田商会製のワンオフ、ショックアブソーバー・スプリングはファイナルコネクションのサスキットを組み込んでいます。
15インチ径のホイールはスタンスマジックの「#710」を装着。フロント8J・リア9Jという太さで、深いリムがレーシーな雰囲気を醸し出しています。
赤・黒・グレーと白の塗り分けは、近年のポルシェカレラカップ用カップカーのカラーリングを模しています。
※ ※ ※
ところで、「ポルシェ化」といえば、かつてタレントの所ジョージ氏がスバルの軽自動車「360」を用いて「コポルシェ360」を製作したことがありました。
こちらも、丸っこいスバル360のボディを生かし、フロントバンパー・スポイラーやリアスポイラー、オーバーフェンダーなどを装着してポルシェっぽいイメージを見事に得ていました。
楽しくかつこだわったカスタマイズは、いつの世も常に注目を集めるという証ではないでしょうか。