タタモータースは、2025年1月開催の「バーラト・モビリティー・グローバル・エキスポ2025」にて、「ハリアーEV」の市販モデルを正式に公開しました。
■「ハリアー」にEV登場!
インド最大の自動車メーカーであるタタモータースは、2025年1月18日から21日までインド・ニューデリーで開催されている自動車の国際展示会「バーラト・モビリティー・グローバル・エキスポ2025」にて、「ハリアーEV」の市販モデルを正式に公開しました。
トヨタの展開するミドルサイズSUV「ハリアー」と同名のこのモデルですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
ハリアーはタタモータースが2019年1月に発売を開始したミドルサイズSUVで、2023年には内外装を改良したマイナーチェンジモデルが登場。
車名の由来は、“トヨタのハリアー”と同じ鷹の一種「チュウヒ」の英語名ですが、両者は無関係な異なる車種です。
車体サイズは、全長4605mm×全幅1922mm×全高1718mm、ホイールベース2741mmと、トヨタのハリアー(全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm、ホイールベース2690mm)に比べ、全長が短く幅広で高さのあるサイズ感となっています。
また、タタモータースが傘下に収めているジャガー・ランドローバーと共同開発した「OMEGARC」アーキテクチャとR8プラットフォームを基盤としているのも特徴です。
そんな“タタのハリアー”ですが、これまで最高出力170ps・最大トルク350Nmの2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンを積んだ内燃機関モデルが展開されてきました。
そのなか、2023年、2024年と過去2回のエキスポでハリアーEVの試作コンセプトモデルを披露しており、このハリアーEVが長い年月をかけて開発されたことが分かります。
そして今回ようやく市販モデルが公開されたということは、ハリアーに新たなラインナップを追加する準備が整ったというわけです。
ハリアーEVのボディは内燃機関モデルと同様に、OMEGARCアーキテクチャとR8プラットフォームを採用。
エクステリアも基本的な部分は既存のモデルと共通していますが、密閉されたフロントグリルに縦型のルーバーが用いられたフロントバンパー、空力を意識したホイールデザインなど、各所にハリアーEV独自の意匠が施されているのがポイントです。
またキャビンのレイアウトも内燃機関モデルに準じたものとなっていますが、ハリアーEVではダッシュボードとドアトリムにソフトタッチ素材が使われているほか、インフォテイメントユニットには専用のグラフィックが用いられるなど、さらなる高級感を演出しています。
アメニティ面では、12.3インチのタッチスクリーンインフォテイメントシステム、ワイヤレスApple CarPlayとAndroid Auto、デュアルゾーンクライメートコントロール、10.25インチデジタルドライバーディスプレイ、JBLサウンドシステム、マルチカラーアンビエント照明、パノラマサンルーフ、6ウェイパワードライバーシート、ベンチレーション付きフロントシートなど装備。
安全機能としては、アダプティブクルーズコントロール、360度ビューカメラ、ヒルホールドコントロールなど、利便性に富んだ機能が充実している点も魅力的です。
パワートレインに関して、2025年1月時点ではまだ公開されていないものの、既にインドのEVとしては初となるデュアルモーター全輪駆動システムが搭載されることが明らかになっています。
また最大トルクは500Nmとされているようです。
さらには、1回の充電で500km以上の走行を可能としているようですが、正確なバッテリー容量はまだ明らかになっていません。
なお価格も公表されていませんが、おおよそ300万ルピー(約540万円)からになると予想されており、2025年半ばまでに発売される見込みとなっています。