2025年1月に開催の「東京オートサロン2025」で、旧車風のオリジナルカーを製作するロッキーオートが、「ロッキー2000GT」を展示していました。どのようなクルマなのでしょうか。
■まぼろしの和製スーパーカー「2000GTオープン仕様」を再現!
2025年1月開催のカスタムカーショー「東京オートサロン2025」で展示されるのは、チューニングカーやカスタムカーばかりではありません。
過去の名車を克明に再現した「ロッキー2000GT」のようなレプリカモデルも注目を集めていました。
愛知県岡崎市の「ロッキーオート」は、国産車屈指の名車 トヨタ「2000GT」を再現した「ロッキー3000GT」を作り上げ、2015年に発表しました。
ロッキー3000GTはトヨタ2000GTの流麗なボディを再現しつつ、現代の路上で使うクルマに必須なエアコン、オートマチックトランスミッション、パワーステアリングなどの快適装備を備え、現代のパワートレインを載せた“スーパーレプリカ”です。
それらを内蔵して公道を走行するためには、本来の2000GTの寸法に収まらないため、フレームを新設計。これにより、2000GT特有のボディラインや、独特の着座位置を再現することに成功しています。
搭載されるエンジンは、2000GTが直列6気筒DOHCエンジンだったことからロッキー3000GTでもこの直6を追求しており、「クラウン」や「スープラ」などに採用されたトヨタ製の3リッター「2JZ型」を搭載。
各部の監修には、1960年代に活躍したトヨタのレーシングワークスチーム「チーム・トヨタ」のキャプテンを務めた細谷四方洋(ほそやしほみ)氏が担当していることもあり、高い完成度を誇っています。
そして、昨年開催の「東京オートサロン2024」では、実際の2000GTと同じく、小型車枠の5ナンバー、および2リッターエンジンにこだわったロッキー2000GTが展示されました。
実車同様の2リッターエンジンでの発売が望まれていたことから、ロッキー3000GTの販売終了とともに受注をスタートしています。
直6エンジンが載っているのはいうまでもありませんが、ロッキー2000GTでは、「3シリーズ(4代目・E46)」や「Z3」に採用のBMW製の2リッター直6DOHCが選ばれています。
内装は2000GTの特徴的なダッシュボードデザインやセンターコンソールに並ぶ小径メーターの意匠をトレース。
シートも2000GTと同様に細かな畝(うね)のような横方向にスジ状の凹凸が並ぶブラックレザーで覆われており、「当時感」を強くしています。ロッキー2000GTが「外観のみの再現」ではないことがうかがえます。
ロッキー2000GTでは、クーペモデルのほか、1967年公開の映画「007は二度死ぬ」で使われたことで知られる2000GT“ボンドカー”を再現したオープンモデルも用意されました。
ことしの東京オートサロン2025には、このボンドカー仕様を再展示。
往年のレースカーである「プリンスR380」を再現した「ロッキー380」とともに、会場の熱い視線を浴びていました。
特にホンモノのボンドカーは映画のために2台が製作されたのみで、現在は1台がトヨタ博物館に保存、解体されたと噂されていた2台目は、その後所在がわかって2017年に復元されています。
そのため2000GTボンドカーは、事実上「絶対に手に入らないクルマ」といえる存在。そんな2000GTボンドカーを、現代でも安心・快適に乗れる仕様で再現したロッキー2000GT ボンドカーは、まさに夢の1台といっても差し支えないでしょう。
ロッキーオートは、今後も夢のあるプロジェクトから夢のようなクルマを出してくれるに違いありません。