2025年1月に開催された「東京オートサロン2025」。そこには日本未発売のスズキ「ジムニー5ドア」が展示されていました。
■斬新な「ジムニー5ドア」実車展示!
カスタムの世界で人気が高いクルマと言えば、やはりスズキ「ジムニー」。
多くのパーツメーカーやショップがオリジナルのカスタムパーツをリリースし、自分好みの1台を仕立てられるのがユーザーから支持されている理由です。
2018年に現行型がデビューしてから、すでに6年が経過しようとしていますが、最近のジムニーカスタムの市場は一巡した感がありました。
しかし、2025年はどうやら新風が吹いて、再び市場に活気が戻りそうな気配です。
カスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」には、2024年に続きドレスアップされた「ジムニー5ドア」が会場に登場。
昨年以上に来場者の熱い視線を集めていました。と言うのも最近のSNS上には、「近くジムニー5ドアが日本で登場する」というユーザーの書き込みが増えているからです。
それらの情報をまとめると、すでに「ジムニーシエラ」を発注しているユーザーに対して、ディーラーから「ジムニー5ドアが遠からず発表される予定だが、注文をシエラから5ドアに切り替えるか?」という問い合わせがあったというのです。
2023年初頭にインドで発表されたジムニー5ドアですが、日本のユーザーの要望が高かったにも関わらず、これまで日本導入は見送られてきました。
発売を望むユーザーがいいかげん痺れを切らしかけていたタイミングで、ついに日本登場となるかもしれません。
オートサロン会場でジムニー5ドアの展示を観たジムニーファンの熱気が高まるのも理解できます。
会場に展示されていたのは、すべてインドから並行輸入した車両にカスタムを施したもの。
リフトアップやドレスアップパーツ装着といったジムニーカスタムのオーセンティックなメニューに加えて、5ドアにはある特徴が見られました。
それはアウトドア派のユーザーを強く意識しているということです。
その代表的な2台がジムニー5ドアにはどのような特徴があるのでしょうか。
まず最初のカスタムカーは、「MIDホイール」を展開しているマルカサービスが、人気アウトドアブランド「DOD」とのコラボで創ったジムニー5ドア。
DODと言えばアウトドア派に絶大な人気を誇るブランドですが、そのアイコンであるウサギのマークを施した2タイプのホイールを装着。
さらに「リベルタデザイン」の外装ドレスアップキットを装着することで、洗練されたフォルムに仕上げています。
■屋根がパカッと開くジムニー5ドアとは?
そして2台目は、老舗のジムニーカスタムショップ「N’sステージ」が中心となって、数社のコラボによって創られた車両です。
ベースは、2024年のキャンピングカーイベントにおいて、愛知県内のビルダー「ホワイトハウス」がポップアップルーフを装着して展示したもの。
こちらに「ハイブリッヂファースト」のリフトアップサスペンション、チューニングパーツを装着してリニューアルしたものが、今回のジムニー5ドアです。
内外装のパーツは、ほぼシエラ、ジムニー用を流用していますが、サスペンションはポップアップルーフ装着などによる重量増から専用セッティングに変更。
特に尻下がりにならないように、リアサスは大幅な変更がなされているようです。
昨今流行している「オーバーランダー」スタイルを、ジムニー5ドアで見事に反映させています。
この2台に共通するのは、都会派アウトドアユーザーを強く意識している点です。
ジムニー5ドアが発表された時、日本で食いついたのは“ファミリー層”と“アウトドア派”です。
元々軽自動車サイズの車内空間しか持たないジムニーシリーズは、その積載能力に難があるという声が多かったのも事実。
そのため、実用的な車内空間であるジムニー5ドアに、ユーザーから大きな期待が寄せられていました。
そんなユーザーのニーズをカスタム業界も把握しており、従来のようなオフロード指向のカスタムにアウトドアライフスタイルを意識した+αのエッセンスを加えてきているようです。
ジムニー5ドアが日本で発売されれば、こうした方向性の商品ニーズが高まる可能性は高く、市場には従来見られなかった新たなブランドが続々と参入してきそうな気配です。