2025年1月16日、スズキは「ソリオ/ソリオ バンディット」の新たな一部改良モデルを発表しました。改良前と何が変わったのでしょうか。
■顔つき&パワートレインの大変更を実施
2025年1月16日、スズキは「ソリオ/ソリオ バンディット」の一部改良モデルを発表しました。
スズキが発表したプレスリリースでは「一部仕様変更」という表現を使っていますが、その変更点を調べてみると実質的なマイナーチェンジに相当するものとなっていました。
ソリオの歴史は、1997年に軽トールワゴン「ワゴンR」の登録車版として「ワゴンRワイド」がデビューしたことから始まります。
2代目ワゴンRの販売期間中に実施された一部改良時に「ワゴンRソリオ」の車名に変更され、2005年にワゴンRの名が外れてソリオになりました。
現行モデルは、2020年12月にフルモデルチェンジを受けた4代目となります。
4代目ソリオのボディサイズは、全長3810mm×全幅1645mm×全高1745mm。5人乗りのコンパクト・トールワゴン。トヨタ「ルーミー」のライバル車です。
そのスタイルは立体感があり上質さも兼ね備えたフロントグリルや縦型のリアコンビランプが個性を際立たせ、親しみやすいデザインを特徴としています。
インテリアは、広い室内と高い天井による開放感が魅力で、多彩なシートアレンジにより実用性も抜群です。また、スライドドアやフラットな床設計により、乗り降りのしやすさと使い勝手の良さを提供しています。
今回実施された一部仕様変更で最も大きな変更点となったのは、フロントマスクとパワートレインが一新されたことになります。
標準モデルのソリオは、大胆なクロームメッキが施された大型フロントグリルに変更されています。
ソリオ バンディットは、今回の発表に先立ち、2025年1月9〜12日に開催された「東京オートサロン2025」で先行披露され「すごい迫力」「アルファードのような高級感」などといった反響を呼んでいました。
その顔つきは、格子状の大型フロントグリルにクロームメッキで加飾し、両サイドに大胆なシルバーを配色する、コンパクトトールワゴンとは思えない迫力あるものとなっています。
パワートレインは、スイフトに搭載されるZ12E型エンジンとCVTを採用したハイブリッドに変更されました。
そのエンジンスペックは最高出力82PS・最大トルク109N・mでスイフトと同等(最高出力は同じで、スイフトの最大トルクは108N・m。発生回転数は同じ)で、最高出力3.1PS、最大トルク60N・mを発生する電気モーター(スイフトと同じ)を組み合わせています。
燃費(WLTCモード)は、2WDがリッター22km、4WDがリッター20.7kmと変更前よりも若干向上しています。
パワートレインが、より新しいものに変更されたことにより、走行性能と実際での燃費性能が期待できます。
なお、この変更に伴い型式が「5AA-MAD7S」に変わって(変更前は「5AA-MA37S」)いますので、マイナーチェンジと言って間違いではないでしょう、
もう1つの大きなトピックは今回の一部仕様変更で、これまでラインナップしていたガソリンモデルとパラレル式ハイブリッド&5速ATモデルも廃止されました。
安全機能では衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用し、車線維持支援機能を標準装備とし、停止保持機能を追加した全車速追従機能・停止保持機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)や、低速時ブレーキサポート、ブラインドスポットモニターなどを装備して安全性を向上させています。
さらに、電動パーキングブレーキやブレーキホールドも採用したほか、スズキコネクトにも対応して、快適性も向上しています。
グレード構成は、ガソリン車「G」パラレル式ハイブリッド車「SZ」と「バンディット SV」がラインナップから落ちたほかは一部仕様変更後も同じです。
価格はソリオが、192万6100〜259万3800円、バンディットが230万3400〜264万8800円となっています。
一部仕様変更前と比較するとエントリーモデルでは数千程度の値上がりとなっていますが、バンディットでは約20万円の値上がりとなるなど、グレードにより数%〜10%ほど高くなりました。
車両価格は値上がりしていますが、全車に「全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」を外した「オーディオレス仕様車」を設定し、約22万円ほど安く購入できるようになっています。
これは、通勤・通学や遠出をしない日常生活の足としてクルマを乗る人にはうれしいパッケージングです。