メルセデス・ベンツ「Gクラス」が颯爽と走る姿を目にすることがよくあります。他にも数多くの高級SUVが市場に出回っているなかで、特に富裕層の間ではGクラスを選び抜いて購入する人が少なくありません。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
■大人気の「Gクラス」 他の輸入車となにが違う?
街を歩けば、メルセデス・ベンツ「Gクラス」が颯爽と走る姿を目にすることが少なくありません。
ディーゼルモデルの「G450d」が1824万円から(消費税込/2025年1月時点、以下同)、EVモデルの「G580 with EQ Technology Edition1」は2635万円から、ハイパフォーマンスモデルのメルセデスAMG「G63」に関しては、2820万円からと非常に高額。
しかしながら、日本自動車輸入組合による「2024年外国メーカー車モデル別新車登録台数ランキング」で7位(5572台)を記録しており、富裕層を中心にその人気の高さが伺えます。
他社競合も多い“高級SUV”のジャンルにおいても、ひと際支持されているのは一体なぜなのでしょうか。
1979年に軍用車両「ゲレンデヴァーゲン」として誕生したGクラスは、ドイツ語で「オフローダー」を意味するその名の通り、耐久性と走破性を兼ね備えたモデルです。
現行モデルは3代目で、2024年7月にはマイナーチェンジが行われ、内外装のアップデートやISG+48Vマイルドハイブリッドシステムの導入などが実施されました。
そんなGクラスが選ばれる大きな理由の1つに資産価値が高いこと、つまりはリセールバリューの高さが挙げられます。
例えば、1990年代に発売されたモデルでさえ、現在の中古車市場で約300万から約1100万円(AMGモデルを除く)という高値で取引されているのです。
また新しいモデルでも同様で、先ほど紹介したG450dは中古車市場で約2300万円から約2800万円で販売されているなど、新車価格より高値で取引されることも珍しくありません。
さらに、頑丈な構造や信頼性も魅力の1つです。
元々軍用車両としての設計がベースとなっているため、長い走行にも十分耐えうる耐久性を備えています。
それらも相まってリセールが高く、富裕層から高評価を得ているのです。
なお、維持費用に関しては、他の高級車同様に部品やメンテナンス費用は国産車よりも嵩む傾向にあるため、維持には相応の財力が必要となります。
しかし、それを凌駕するリセールバリューの高さが、Gクラスを「投資としても価値のあるクルマ」として位置付けています。
またその資産性のみならず、無骨でスクエアなデザインもGクラスの大きな魅力です。
独自性のあるエクステリアは、所有者に特別なステータスを感じさせるだけでなく、他のSUVと一線を画す存在感を放っています。
そのため、Gクラスは単なる高級SUVではなく、富裕層にとって「資産価値を持つステータスシンボル」としての位置を確立しているのです。